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安:第110回は、「強いチームを作るには?」と題してお送りいたします。
このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社の提供でお送りいたします。
安:それでは、大野さん、今回は「強いチームを作るには?」というタイトルなんですが、これについてお話をしていただけますでしょうか。
大野:はい。先日、静岡で開催されたBNIのイベントがあったんですけれども、私がプレゼンテーションをやった後に質疑応答の中で、実は発足を控えたグループのメンバーの方からの質問があったんですね。
安:はい。
大野:非常にいい質問だったんですけれども、これから発足するわけだったので、これからチャプターをスタートするに当たって、メンバーのために機能するチャプターですね。成果を上げることができるチャプターにしていくためには、どんなことに気を付けたらよいですかという質問でした。
安:はい。
大野:これに対する答えとして、まずチャプターのメンバーの皆さんで確認していただきたいことは、発足に当たっていま一度なぜ自分たちのチャプターができたのか。あるいは、どんな目的を持って立ち上げたのかということですね。これを確認していただきたいと思います。
安:はい。
大野:BNIのメンバーになった動機というのは、人それぞれだと思うんですよね。例えば私の場合だと、人前で話せるようになりたいと思ったのが一番の動機でした。安さんの場合は、どんな動機でしたか。
安:私はコンビニ業界を変えようと思って、実はメンバーになりました。
大野:素晴らしいですね。
安:はい。チャレンジをしてみようと思ったんですよね。やっぱり初めての独立だったので。
大野:なんかちょっと私のと比べると、かっこよくないですか、あまりにも。
安:そんなことはないと思いますけれども。
大野:そうですか。
安:はい。
大野:安さんのように純粋にビジネスを目的にして、メンバーになった人たちもいる一方で、私のように話せるようになりたいとか、あるいは、経営者は孤独だから仲間が欲しいなとか、あるいは単純に楽しそうだからとか、ビジネス以外の目的でメンバーになる人もいるんですよね。
安:はい。
大野:でも、チャプターというのは人の集まりなので、つまり生き物ということなんですよね。なので、構成している人たちというのが、どんな人たちで何を目的にしていて、それから、何を大切にしていて、どこに向かおうとしているのかで変わってきてしまうわけですね。
安:はい。
大野:どんなチャプターも、チャプターサイクルというものがあって、発展する時期もあれば、停滞する時期もあるわけです。どんどん発展するチャプターもあれば、一方で残念ながら立ち行かなくなってしまうチャプターもあるわけなんですけども、人数がだんだん減ってきて、ついには活動が続けられなくなってしまうこともあるわけですよね。
安:はい。
大野:では、どんなチャプターが発展し続けて、一方でどんなチャプターが、活動停止に追い込まれてしまうのかということですよね。
安:はい。
大野:実は、かつて都内で活動していたチャプターが、13名になってしまったんですね、メンバー数が。
安:はい。
大野:彼らになぜBNIをやっているのかということを、皆さんの前で話してもらったんですよ。
安:はい。
大野:その13名のうちの7名の方は、一緒に飲みに行けるから楽しいよねということで、ビジネス以外の目的を口にしていました。
安:はい。
大野:残りの6名は、自分たちのビジネスを発展させることというふうに答えたんですね。
安:はい。
大野:一番最後に答えた女性のメンバーの発言が、今でも記憶に残っているんですけども、皆さんがそんなふうに考えていたなんてショックですと。私はビジネスをやるためにBNIに入りましたというふうなことをおっしゃっていたんですよね。
安:はい。
大野:彼女の発言というのはもっともだと思うんですけども、ビジネスを目的としていない人たちは、そもそもBNIの仕組みだとか、トレーニングとか、リファーラルマーケティングにはまったく興味がなかったわけですよね。
安:はい。
大野:仲間と楽しく飲んだり遊んだりするのが目的ですから、ある意味、当然なんですけども。
安:はい。
大野:全員の話を聞いて、私のほうでこういうふうに言ったんです。どうやら真っ二つに分かれてしまっているようですね。なぜBNIをやっているのかなんて、これまで聞かれたこともなかったでしょうね。このままでは残念ながら一緒にやっていくことは難しそうですねという話をさせていただきました。
安:はい。
大野:結局そのチャプターは、先ほどのビジネスを目的にしていた人たちの6名のうちの4~5名で新しいチャプターの立ち上げをして、その後、7~8年たっているんですけども、今でもチャプターとして活動を続けています。
安:はい。
大野:どのBNIチャプターも立ち上げられた目的は、メンバーのビジネスの拡大とか発展であるべきなんですね。
安:はい。
大野:これが、チャプターのメンバーをつなぎとめる核となるわけです。各メンバーの入会動機が何であれ、このチャプターの目的が、少なくともメンバーから尊重されていないと、チャプターはいつの間にかばらばらになってしまうと思うんですね。
安:はい。
大野:例えば、動機が人前で話せるようになりたい人も、飲み友達が欲しかった人も、自分たちが所属しているチャプターの目的が、メンバーのビジネスの拡大、そして、発展であるということをしっかりと認識して、それを尊重できていないと、その人たちは、ほかのメンバーの足を引っ張ってしまうことになるわけですよね。
安:はい。
大野:ここでBNIのミッションステートメントというのを、ちょっと振り返ってみたいと思うんですけども、読みますね。「BNIのミッションは、メンバーがビジネスを増やすのを助けることです。体系的、かつポジティブ、そして、プロフェッショナルなリファーラルマーケティングプログラムを通じて、メンバーが質の高い各専門分野のプロと長期的で有意義な関係を築く機会を提供します」というのが、ミッションステートメントなんですね。
安:はい。
大野:これがチャプターの存在目的と同じでなくてはならないわけですよね。
安:はい。
大野:チャプターとして存続するには、この目的はしっかりと共有されていることが必要なわけです。では、チャプターは存続するだけでいいでしょうか。
安:いやー。
大野:成長しないといけないですよね。
安:そうですね。
大野:チャプターが成長して、より大きな成果をメンバーのために生み出すようになるためにはどうしたらいいか。この答えは、タイトルの「強いチャプターを作るには?」というという問いと同じ答えになると思うんですね。
安:はい。
大野:シンプルに答えると、適切なコンテキストを形成するというふうになると思うんです。このコンテキストの重要性については、以前、『金持ち父さん貧乏父さん』という本で知られているロバート・キヨサキという人がいますよね。
安:はい。
大野:彼のアドバイザーを務めるブレア・シンガーもいつも教えてくれているわけですけれども、簡単に言えばコンテキストというのは環境と言い換えることができます。
安:はい。
大野:聞いたことありませんか。「環境は意思より強し」という言葉。
安:はい。
大野:人の意思というのは、皆さんが思っているよりもそんなに強くない。でも、環境というのは、人が思っているよりも実は強いという意味ですね。
安:はい。
大野:意思を強くするよりも、適切な環境を整えるほうが有効だということです。このコンテキストには、例えばビジョンとかミッション、そして、コアバリュー、ルールとか規則などが含まれますけれども、チャプターにおいても強いコンテキストをできるだけ早い段階でつくれると、強いチャプターになるはずです。
安:はい。
大野:これらをつくる順序としては、まずコアバリューですね。これは基本的価値観と日本語ではいえると思います。このポッドキャストでも、第9回と第10回でしたかね。
安:はい。
大野:こちらで取り上げています。
安:そうですね。
大野:チームとしてどんな価値を大切にするのか。例えばBNIの基本的価値観、コアバリューと同じものを使ってもいいわけですよね。ギバーズゲイン。関係構築、生涯学習、伝統と革新、前向きな姿勢、アカウンタビリティ。そして、承認と。ここに例えばチャプターで独自の地域貢献みたいなのを加えてもいいですよね。
安:はい。
大野:次にビジョン。チャプターとして、どこを目指すのか。ビジョンというと、よくゴールと混同されるんですけども、そんなに気にしなくてもいいです。例えばビジョンの例としては、地域の雇用創出と経済の活性化をリードする。ゴールとしては、具体的に数字が入ってくるわけですよね。期限と数字が入ってきます。なので、例えば2025年までに1000社、平均10人で1万人の雇用創出をする。そして、3万人の家族を幸せにするみたいな。結構大きなビジョンに近いゴールですよね。
安:そうですね。
大野:どこを目指すかというのがとても大切ですよね。
安:はい。
大野:チャプターがいろいろあるように、例えばサッカーとかのスポーツのチームもいろいろあると思うんですね。
安:はい。
大野:仕事帰りに気持ちのいい汗をかいて、その後のビールを楽しみたいというチームもあれば、先日のワールドカップのように、ベスト8とか、優勝を目指すチームもあるわけですよね、世界レベルで。
安:はい。
大野:自分たちのチャプターはどこを目指すのか。これが明確になっていれば、それに引かれて集まってくる人もいれば、そこまではできないなということで、敬遠する人もいるわけです。
安:はい。
大野:チームが目指すところにたどり着くために必要な人とか、適切な人たちが集まってくるわけですよね、明確なビジョンがあれば。
安:そうですね。
大野:チャプターのミッションというのも考えられると思います。BNIのミッションを借用して、例えば体系的、かつポジティブ、そしてプロフェッショナルなリファーラルマーケティングプログラムを通じて、メンバーが質の高い各専門分野のプロと長期的で有意義な関係を築くことで、メンバーと、そして、メンバーがつながっている全ての事業者のビジネスの拡大発展を助けるというような感じで。あとは、ルールとか行動規範もあるとなおいいですね。
安:はい。
大野:コアバリューから考えるとつくりやすいです。例えば生涯学習というコアバリューから考えられる行動規範としては、常に学ぶ姿勢を忘れず、それを実践することみたいな。
安:はい。
大野:あと関係構築や承認、アカウンタビリティといったコアバリューからは、リファーラルを受けたら感謝。そのあとの進捗の報告。誓約の際の報告と感謝を忘れないというような、そんな行動規範も考えられると思います。
安:すごく大事ですね。
大野:そうですね。
安:はい。それでは、そろそろ終わりに近づいてまいりましたが、大野さんからメンバーの皆さんへメッセージはありますか。
大野:はい。まず既存のチャプターの皆さんについては、自分たちのチャプターの目的ですね。これがちゃんとビジネスということで尊重されているかどうか。これをぜひ確認してほしいと思います。
安:はい。
大野:そこに気付いていない人も、もしかしたらチャプターの中にいらっしゃるかと思うんですね。これはある意味、自然なことだと思うんです。こういった作業をこれまでしてなければ。なので、あらためてBNIのチャプターというのは、ビジネスをやるためにみんなが集まっているというところ。そして、それが尊重されなければ、一緒にやっていくことが難しくなってしまうというところを確認していただく。それから、やはりチャプターとしてどこを目指すのか。ビジョンとかゴールといったものを確認して、そういった環境をつくる。強いチャプターの条件としてのコンテキスト。ぜひ皆さんのチャプターのコンテキストをつくっていただければというふうに思います。
安:はい。ついつい目指すところというと、メンバー数を増やすとか、ビジターを増やすとか、そういったところに執着しがちなんですけれども、もっともっと大事なのは、やはりチャプターとしてのビジョンとか、ミッションやルールをしっかりとまずつくっていくということが大事なんだということがよく分かりました。
大野:そうですね。メンバー数が増えていくプロセスの中で、定期的にこういった自分たちの持っているコンテキスト。これを確認する作業を入れていくことが大切だと思います。
安:はい。
大野:例えばミーティングのアジェンダの中で、チャプターのビジョンを繰り返し確認できるような時間を取れるといいと思います。
安:ありがとうございました。
大野:ありがとうございました。
このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社の提供でお送りいたしました。
BNIの基本理念に基づき行動する。
何のためにBNIに入ったのかを再確認します。
目的 ゴールを決める 大事ですね
環境作りの大事さ
環境は意志より強し、というメッセージにハッとさせられました。
メンバーがそこにいて続けることによって前進できる、よい影響を受ける環境をチャプターで作っていかなければならないとも思いました。
ありがとうございます。