第283回 BNIの『北極星』

このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社とビジネスの自走化を支援するActionCOACHの提供でお送りいたします。

【参照】第119回 BNIのビジョンとミッション(再)
第119回 BNIのビジョンとミッション(再)

第283回は「BNIの『北極星』」と題してお送りいたします。日本語版の第119回をご参照ください。

安: それでは大竹さん、本日もよろしくお願いいたします。

大竹: よろしくお願いします。

安: 大竹さん今千葉県の君津にいらっしゃるということですけれども、この時期の夜ってどんな感じなんですか?

大竹: そうですね、もう9月に入ると涼しい日も増えてきて、夜の風が少しだけ涼しくなってくるんですね。うちのあたりは街灯がほとんどないので、外に出ると星がよく見えます。

安: なるほど、北極星も見えますか?

大竹: はい、見えますね。北極星っていうのは他の星が夜の間に少しずつ動いていく中で、ほとんど同じ場所から動かない星だと思うんですね。だから昔の人はこの星を頼りに海を渡ったり山を歩いたりしたんだと思います。

安: 確かにそうですよね。前回もまさにその北極星のお話でしたよね。北極星で庭を作ろうというところだったんですけども。

大竹: はい。前回は自分たちのチャプターがどんな庭を目指すのか、その方向を決めましょうという話でした。今日はそこから一段引いて、BNIという組織そのものの北極星は何なのかということを扱っていきたいと思います。

安: それが今回のテーマ「BNIの北極星」ですね。今日はどんな方に向けたお話になりますでしょうか。

大竹: はい。BNIのビジョン、ミッションを言葉としては知っている、トレーニングでも聞いたし暗唱もできると、だけど毎週自分がやっているビジターさんの招待とかリファーラルと、その言葉がどう繋がっているのか、正直考えたことはない、そういう方に向けてお話をしたいなと思っています。

安: そういう方って入会して1年ぐらい経って活動が慣れてきて、少し作業のようになってきた頃かもしれないですよね。まずBNIのビジョンとミッションを改めて確認していきましょうか。

大竹: はい。ポッドキャストの第119回で大野さんがBNIのビジョンとミッションというテーマでお話しされています。そこで大野さんはビジョンというのは組織として将来ありたい状態や姿だとおっしゃっていました。完璧に達成できるかどうかはわからない大きな志、まさに北極星のように目指す方向を示すものだと。

安: 北極星という言葉はマイズナーさんも使われていましたよね。

大竹: そうでしたね。そしてミッションはそのビジョンを果たすために今何を具体的にするのか、何をするのか、誰のためにするのか、どうやってするか、この3つの質問でできているということでした。BNIのビジョンはChanging the Way the World Does Business、世界のビジネスのやり方を変える。ミッションはメンバーがビジネスを増やすのを助けること、そしてリファーラルマーケティングプログラムを通じて、質の高い各分野のプロと長期的で有益な関係を築く機会を提供すると続いています。理念がギバーズゲインということですね。

安: はい。ただちょっと正直に申し上げますと、世界のビジネスのやり方を変えるって言われても、ちょっとスケールが大きすぎて、自分の毎週の活動とどう繋がるのか、ピンとこないという方も多いと思うんですよね。

大竹: よくわかります。私も以前は立派な言葉だなというくらいにしか思っていませんでした。でもある時からこのビジョンの中で1番大事なのは変えるという言葉なんじゃないかなと思うようになりました。

安: 「変える」ですか?

大竹: はい。変えると言っているということは、裏を返せば今のやり方には課題があるという風に思っているということなんじゃないかなと思うんですね。ビジョンというのは実は結構クリティカルというか批判的なところから生まれているものなんじゃないかなと思っています。今のやり方は嫌だとか、このままではいけないという思いが入っているんじゃないかなという風に思います。ピーター・ティールという投資家を皆さんご存知でしょうか。PayPalを創業して、FacebookやAirbnbにも初期に出資した人なんですけれども、この方が使う伝説の質問と呼ばれているものがあります。

安: どんな質問なんですか?

大竹: 世界の課題のうち大多数の人はまだ認めていないけれども、あなたにとって重要な課題は何かという質問です。

安: まだ多くの人が問題だと思っていない問題ということですね。

大竹: そうですね。分かりやすく言うと、SDGsの18番目はあなたにとって何ですかみたいな質問だと思います。17個はみんな認識をしているんだけれども、それ以外であなたが大事だと思っているものって何なのということですね。ビジョンというのはきれいな言葉を選ぶ作業ではなくて、このピーター・ティールさんの質問に自分なりに答えることなのだという風に思います。そして面白いのは何と戦うのかをはっきりしている組織ほど、強いエネルギーを持つということだと思います。

安: 戦う相手とはライバルということですか?

大竹: そうですね。例えば電気自動車の会社であれば、ライバルは他の自動車メーカーではなくて、化石燃料に依存する社会そのものだったりします。例えば宿泊サービスであれば、自分の居場所だと感じられる場所が狭い世界がライバルであって、全ての人がどこにいても居場所があると感じられる世界を目指していこうということですね。

安: なるほど。商品の直接的な競争相手ということではなくて、社会の在り方が相手ということですね。

大竹: そうなんですよね。ライバルを目の前の同業他社とかに設定してしまうと小さくなってしまう。そうではなくて変えたい世界の方に設定をすると、そこに向かうエネルギーが大きくなるということなんですね。私はドラゴンボール世代なんですけど、ドラゴンボールで孫悟空が強い相手を見ると俺ワクワクするぞって言いますよね。適切なライバルを設定することによって、大きなエネルギーが生まれるということです。

安: なるほど。今のはちょっとツッコンでいいのかわからなかったんですけれども、ではBNIのライバルとは何ですか?

大竹: ビジョンにそのまま書いてあるんですけど、今のビジネスのやり方だと思います。もう少し具体的にすると、私はこういうことだと思っているんですが、例えば自分さえ良ければいいというエゴがぶつかり合うようなビジネスのやり方だったりとか、自分の事業を拡大するために自分の大切な人の人生を犠牲にしてしまうようなビジネスのやり方だったりとか、経営者から孤独な人が生まれてしまうようなビジネスのやり方だったりとか、周りの人に一生懸命貢献した人が報われないようなビジネスのやり方だったりとか、子どもが早く大人になりたいという風に思えないようなビジネスのやり方、そして最後に、人生を変えるような出会いが偶然に委ねられてしまっている、そんなビジネスのやり方。それが私にとってのこのビジネスのやり方を変えるということなんじゃないかなと思っています。

安: なるほど。今みたいにお話ししていただくと、結構身に覚えのあるものも多いなと思ったんですよね。

大竹: そうですね。私自身もまたまさにその中にいたんですけれども、ビジネスの場で行われる数字の競争によって、たくさんの人が「I am not.」ですね、つまり私が私でない状態になってしまっていると思います。誰もが自分の正気を保つことで精一杯で周りの人を気にかける余裕がなくなっていく状態、私はそういう場面もいくつも見てきましたし、自分もその中にいました。

安: 大竹さんはその後ご自身で事業を始められているじゃないですか。環境が変われば、そこから自由になれたんですか?

大竹: それがそうでもなかったんですよね。独立したばかりの頃は人と会うときに無意識に計算をしていました。この人と会って自分に何かメリットはあるだろうか、自分の損得だけを物差しにして、人との繋がりの価値を打算的に決めていました。

安: ということは大竹さんご自身もそのやり方の側にいらっしゃったということですね。

大竹: そうですね。今日のお話はどこかの誰かが悪いという話では全くないです。私も含めてみんながそのやり方の中で生きてきたということだと思います。

安: ここでちょっと1つ、私から素朴な疑問をお聞きしてもいいでしょうか。今は例えばGoogleとか、Amazonとか、あとはAIとかで検索すると、大抵のものやサービスって見つかりますよね。私たちはなぜわざわざリファーラルという手間のかかるやり方で届けているんでしょうか。

大竹: はい。とても大事な問いだという風に思います。実際、ビジネスで効率だけを求めるのであれば、リファーラルは必要ないという意見もあるんじゃないかなという風に思うんですね。検索した方が手っ取り早いということですね。ただ私は、スマートフォンでSNSの広告が出てきて、ため息をつくことがあります。出てくる広告は大体、薄毛治療とマッチングアプリばかりなんですよね。

安: なるほど。ちょっと何とも言えない気持ちになりますね。

大竹: 実際ちょっと嫌な気持ちになりますね。でも寂しい気持ちにもなるんです。広告の元になるデータはどんどん蓄積されていっていて狙った人に、より的確に届くようにパーソナライズされています。技術としてはすごいことだなと思います。でもどこまでいっても、それは私のためを思って提案されたものではありません。私が今どんな気持ちで生きているのか、過去にどんな挫折があって、これからどんな希望を持っているのか、どんな目標があるのか、そこを気にかけてくれているわけではないんです。

安: 精度は高いんだけど、気にかけてもらえているという感じではないということですね。

大竹: そうですね。でもリファーラルは違います。私のことを理解してくれている人が、私のことを気にかけてくれて届けてくれたものです。そこには感情的な繋がりがあって温もりがあります。マイズナー博士はBNIのことをビジネスに感情を吹き込んだ組織だと言っています。私はこれを目に見える成果や効率ばかりを追い求めるビジネスのやり方から、目に見えないお互いの感情や関係性を大切にするビジネスのやり方にしていこうという意味だと理解をしています。

安: 確かに大事ですよね。では世界のビジネスのやり方を変えるというのは、具体的にはどんな世界に変えるということなんでしょうか?

大竹: 先ほどのドラゴンボールに例えてみると、例えばかめはめ波という技があるんですけど、これは自分の力を貯めて自分1人で打つ技ですよね。だからより大きなかめはめ波を打てる人が勝利するということですね。今のビジネスのやり方はこれに近いんじゃないかなと思います。自分の力をどこまで大きくできるか、どれだけ鋭く打つことができるか、その大きさを競い合っている。それに対して元気玉という技があります。元気玉は自分の力だけでは足りないので、周りの人たちから少しずつ元気を分けてもらって、それを1つに集めて放つ技なんですね。1人では絶対に作れないものです。私はこの世界のビジネスのやり方を変えるというのは、かめはめ波の大きさを競い合う世界から、元気玉を送り合う世界に変えるということだと思っています。

安: なるほど。すごく分かりやすい例ですね。個人的にかめはめ波も何か来るかなと思ったんですけども。真似がね。ということで、分けてもらうっていうところではなくて、送り合うっていうことが大事ってことですね。

大竹: そうですね。そこが大事なところだと思います。もらうだけでは元気玉にはならないと思います。自分の周りの人を気にかけて行動する、そうすると、そこに感謝が生まれますよね。その感謝を受け取った人がまた別の誰かのために行動する、感謝を恩送りしていくということです。

安: それでも1人分の元気では小さくなっちゃいますよね。

大竹: そうですよね。だから私たちはこのチャプターとかリージョンっていうそういった単位で、より多くの人から少しずつ元気を集めようとしているという風に思います。

安: なるほど。ここまで伺って、私自身もすごく腑に落ちたというか、納得があったんですけど、一方で正直な疑問も残っています。それは世界のビジネスのやり方を変えるっていうのはやっぱりちょっと大きすぎて、例えば明日の朝自分が何をすればいいかが変わるっていうと、そこまではないような気もしてるんですよね。

大竹: そうですね、おっしゃる通りだと思います。ここは正直にお話した方がいいところだと思うんですけども、前回もう話に出ましたけれども、ビジョンというのは解像度を上げるとなかなか賛同できない人も出てきますし、ふわっとさせすぎてしまうと誰も強い関心を持たない諸刃の剣だと思います。世界のビジネスのやり方を変えるという言葉は、そんなに反対する人はいないのかなと思うんですけれども、そのままでは月曜日の朝の行動は何も変わらないということですよね。

安: 反対されないけど行動も変わらないと

大竹: だからこの大きな北極星を自分の言葉に翻訳する必要があるんだという風に思います。毎週のリファーラルの1件1件や、ビジターさんへのお声掛け1つ1つというのは、正直に言えばとても地味な作業のように見えるかもしれません。それで世界が変わるとはなかなか思えない。でもなぜ自分はこの1つ1つの行動をしているのか、その先にある何を変えようとしているのか、それを知っているかどうかで、同じ行動の意味がまるで変わってくると思うんですね。

安: 戦う理由を知っているかどうかなんですよね。

大竹: そう思います。それからもう1つだけ。うまくいき始めた時ほど、これは自分の力で成し遂げたことだと思いたくなるものなんですけれども、私はその感謝と謙虚さというものが、私たちの理念であるギバーズゲインを支えている土台だという風に思っています。元気玉は分けてもらっていることを忘れた瞬間に集まらなくなってしまうと思います。

安: なるほど。ありがとうございます。それでは聞いてくださっている皆さんが明日から何か1つ始めるとしたら、どこからがいいでしょうか?

大竹: はい。2つお伝えしたいと思います。1つ目は自分にとってのライバルって誰なんだろうかということです。BNIのライバルは今のビジネスのやり方でした。では自分の事業にとってのライバルは何なのか、競合他社の名前ではなくて、変えたい世界の方を書き出してみていただきたいと思います。その上で自分の5年後、自分のビジョンが実現した時、私たちのビジネスのやり方はどう変わっているだろうかと問いかけてみると、

安: それはチャプターの皆さんと一緒に考えてもいい問いですね。

大竹: そうですね。1to1の時にお互いに聞き合ってみてもいいと思います。その方がお互いが本当に大事にしていることが見えてくるんじゃないかなと思います。そして2つ目はいつも通りのことなんですけれども、毎週ギバーズゲインを実践する、関わる人のためにリファーラルを届ける、ビジターの方をお招きするということです。

安: 先ほどの地味な1件というやつですね。

大竹: はい。ただ今日からは元気玉を1粒送る行為だと思ってやっていただけたらと思うんですね。地味ですけれども、それがとても大切なことだという風に思います。

安: はい。ありがとうございます。それでは、そろそろ終わりの時間が近づいてまいりましたが、大竹さんからメンバーの皆さんへメッセージはありますか?

大竹: はい。以前子どもたちに早く大人になりたいですかと聞いた調査を見たことがあります。なりたいと答えた子は半分ほどでした。しかしその理由として多かったのはスマホを自由に使えるからだったんですね。

安: 大人になりたい理由がスマホだったんですね。

大竹: そうですね。私はこれを知った時に少し寂しい気持ちになったんですね。子どもたちから見て大人が働いている姿は、あまり魅力的に映っていないのかもしれないなという風に思いました。でもこれは裏を返せば私たちの手の中にあることだと思います。私たちがビジネスの場で奪い合いではなく助け合いをする、その姿を子供たちが見て早く大人になって自分も誰かの役に立ちたいと思える、そういう社会に変えていくことはできるはずなんだと思います。そしてもう1つ。人生を変えるような出会いが今は偶然に委ねられています。たまたま隣の席に座った人、たまたま紹介された人、それで人生が変わることがある。私はその偶然を意図して作れるようにしていきたいと思っています。必然に変えていきたいという風に思っています。人生を変えるリファーラルを全ての人に、これが私にとっての北極星です。BNIの北極星は世界のビジネスのやり方を変える。そこに向かうための道具がリファーラルマーケティングという仕組みで、その土台にあるのがギバーズゲインという理念です。毎週の1件1件は本当に小さな1粒かもしれません。でもその1粒が集まった時にしか、元気玉は放てないんだという風に思います。

安: はい。大竹さん素敵なお話、とても大事なお話をありがとうございました。今日のお話を伺って、私は変えるという言葉の重さを改めて感じました。BNIのビジョンというのはきれいな標語に聞こえるけど、そういうことではなくて、今のビジネスのやり方はこのままじゃいけないんだという、はっきりとした意思表示だという風にも置き換えられますね。改めまして、ありがとうございました。

大竹: ありがとうございました。

安: 最後までお聞きいただきありがとうございます。今回のお話はいかがでしたでしょうか?皆さんからのご意見やコメント本当に励みになります。よろしければInstagramやYouTubeで発信しておりますので、公式サイトと合わせて是非コメントを残していただけると嬉しいです。皆さんの声が次回のトピックや内容をより良くしていくための大切なヒントになるかもしれません。一緒にこのポッドキャストを成長させていければと思っています。それでは次回もオフィシャルBNIポッドキャストでお会いしましょう。See you next week!

第282回 『北極星』で庭を造ろう!

このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社とビジネスの自走化を支援するActionCOACHの提供でお送りいたします。

第282回は「『北極星』で庭を造ろう!」と題してお送りいたします。

安: それでは大野さん、大竹さん、本日もよろしくお願いします。

大野: よろしくお願いします。

大竹: お願いします。

安: そういえば大竹さんは今千葉県の君津にいらっしゃるんですよね。

大竹: はい、そうですね。すごく田舎というか、山合いのエリアで、本当に自然ばかりしかないと、人間より動物の方が多いんじゃないかというエリアに住んでおります。

安: なるほど、今周り例えば庭とか畑が多いって聞いたことがあるんですけど、今の時期って庭とか畑のお手入れも結構大変なんじゃないですか?

大竹: めちゃくちゃ大変です。田園風景って人が手を入れているからこそ保たれるものなんだなって引っ越してから思ったんですよね。植物が放っておいて育っている状態って思った通りの形には必ずならないので、草刈りだったりとか水をやったりとか、どこに何を植えていくかというのは考えて、手をかけ続けていかないと、あっという間に耕作放棄地というね、ボサボサの庭になってしまうということなんですよね。

大野: それってチャプターにも似ている感じがしますね。

大竹: 言われてみればそうかもしれないですね。今日はまさにそのテーマでお話ができればなという風に思っております。

安: はい、それでは、今回のテーマが「北極星で庭を作ろう」というタイトルなんですけども、北極星と庭という2つの比喩が入ってますよね。これ一体どういうことなのか、大野さんお話しいただけますでしょうか。

大野: はい、今回は、特にチャプターの未来に明るいイメージを持てなくなってしまっているそういったメンバーの皆さんに向けてお話ししたいと思っています。人数が少しずつ減っている、あるいは毎週のチャプターミーティングもかつて程の活気がなくなっている、何か変えなくちゃいけないとは思っているんだけども、何を目指したらいいのかわからない、そういうチャプターにとって再出発のきっかけになるのが共通のビジョンだと思うんですね。

安: その共通のビジョンが北極星ということなんですかね?

大野: そうですね。北極星っていうのは進む方向を確かめるための目印としてよく使われますよね。チャプターに置き換えると、私たちは何のために集まっているのか、毎週このチャプターを通じて誰にどんな価値を届けたいのか、という共通して目指す方向のことですね。それから庭というのはチャプターそのものだと思うんです。庭っていうものにはそこで育つ植物があって、土があって手入れする人がいますよね。チャプターにも様々な専門性を持ったメンバーがいて、メンバー同士の関係があって、毎週の活動がありますよね。

大竹: なるほど。どんな庭を作りたいのかという方向性が北極星ということなんですね。

大野: そうですね。魅力的なチャプターというのは、質の高いリファーラルが活発に交わされているとか、毎週のチャプターミーティングに活気があるとか、メンバー同士がお互い敬意を持って関わっているとか、いくつかの特徴があると思うんです。ただそうしたチャプターはたまたまいい人達が集まれば自然に出来上がるというものではないんですよね。メンバーが自分たちはどこを目指しているのかっていう共通の方向を持っていることがすごく大事だと思うんです。

安:なるほど。結構この話ってトレーニングなどでも聞いたことがあるんですけど、そうした北極星が共有されていないとどんなことが起こるんでしょうか。

大野:やっぱり、よくあるのはみんな一生懸命なんだけれども、力が一つに集まらない、みんなバラバラになっている状態ですよね。ある人は自分の売り上げを大きく伸ばしたいと思っている、別の人は楽しく活動できればいいと思っちゃってる、また一方で地域に貢献したいと思っているメンバーもいたりとかして、どれも間違いではないし、それぞれが目指すものなんですよね。ただ、お互いが何を大切にしているのかを知らないままだと、チャプターで何かを決めるたびに意見がぶつかり合ってしまうということが起きてしまいます。

大竹:例えばみんなで一つの庭を手入れしているんだけれども、どんな庭にしたいかということを誰も話していないとします。ある人は花を植えて、ある人は野菜を育てて、別の人は広い芝生にしたいと思っている。一人一人は善意で動いているし汗もかいているんです。でも場合によっては誰かが大切に植えたものを、別の人が雑草だと思って抜いてしまうかもしれないですよね。

安:そうですね、それ悲しいですよね。 どっちも庭のために動いたはずなんですけどね。

大竹:そうなんですよね。チャプターでも同じで、誰かの意欲が足りないとは限らないと思うんです。むしろみんな良かれと思って動いている。でもどんな庭を一緒に作りたいのかが共有されていない。だから方向性が決まっていないと少しずつごちゃごちゃになってしまうんだという風に思います。

大野: インテリアなんかも同じかもしれませんね。どんな空間を作りたいのかを決めないまま、それぞれが好きな家具を持ち込んだりとか、好きな壁紙を貼ったりとかしてしまったら、一つ一つはいい家具だったりいい色彩だったりしても、部屋全体にまとまりがなくなってしまうと思うんですよね。

安:確かに。ではメンバー全員で理想のチャプターについて話し合って、北極星を決めればいいということなんでしょうかね。

大野: 理論的にはそうなんですけども、実際にはそんなに簡単ではないんですよね。人数が多いチャプターで全員が一からビジョンを作って合意に持っていくっていうのはかなりハードルが高いと思うんですね。実際以前私が関わったことがある40人前後のチャプターでビジョンを作ろうとしたことがあったんですよ。全員で決めるっていうのはもう難しいっていうのは分かっていたので、3人ぐらいで委員会を作って草案を考えてもらったんですね。ただ出来上がってきたものをメンバー皆さんに示しても全然合意を得ることができずに、結局その話自体が立ち消えになってしまったんですよね。

安:委員会を作ってもうまくいかなかったんですね。

大野: そうなんです。ですから全員で言葉を出し合えば自然に一つのビジョンが出来上がるなんていう風に考えてしまうと、現実には難しいということがあるということですね。

安:なるほど。ではすでに活動しているチャプターが途中からビジョンを導入するという場合はどうでしょうか。

大野: そうですね。これはビジョンを途中から導入するというのは、先ほど申し上げたように非常に難しいと思うんです。例えば野球で言えば、草野球を楽しみたい人達と甲子園を本気で目指したい人達が同じチームにいるような状態です。あるいは今の規模を大切にしたいという人達と10倍の成長を目指したい人達が混在している。どちらが正しいとか間違っているという話ではないんですよね。ただ途中から突然今日から甲子園を目指しますと言われても、全員が賛成するというのは難しい話ですよね。

安:確かにそうですね。最初から甲子園を目指すと分かっていれば、同じ思いの人が集まりやすいですよね。

大野: そうなんです。立ち上げの時であれば、その北極星に共感する人に参加してもらうことができますよね。でももうすでにいろんな目的を持った人達が集まっているところで、解像度が高いはっきりしたビジョンを、強いビジョンを示すと、賛成できない人も当然出てきちゃうわけですよね。逆に誰も反対しないようなふわっとした表現すれば、導入はしやすくなるんですけども、反対されない代わりにメンバーたちが強く関心を持たないということも起こってしまうと思うんですよね。

大竹:誰にでも当てはまるけれども誰の心にも深く残らない言葉になってしまうということですね。

大野:そうですね。なので北極星を作るというのは綺麗なスローガンを考える作業ではないので、私たちはどんなチャプターを目指すのかっていうことを選ぶ作業なんですよね。

安:選ぶということは、場合によってはそこに共感できないという人もいるということでしょうか。

大野: そういうことだと思います。だからこそやっぱり順調に活動している大きなチャプターに対して、今すぐ全てを壊してビジョンを作り直しましょうという風に言いたいわけではないんですね。今回の話というのはむしろ、今のまま進んでいっても先が見えないなと、明るい未来というのが見えないなというような状況、あるいはもう人数が少なくなってきちゃったチャプター、あるいは一度立ち止まって再出発する必要があるんじゃないかなと感じているチャプターにより向いたものになっていると思うんですね。そういう段階であれば、今あるものを変えるリスクよりも何も変えずに進み続けるリスクの方が大きいかもしれない。だからこそ本当にこの庭をどうしたいのかっていうのを残っているメンバーで率直に話すことができると思うんですよね。

安: 確かに。人数が減っているということが必ずしも終わりを意味するわけではなくて、方向を捉え直す機会にもなり得るということですね。

大野: そうですね。あるチャプターでは、最初の更新、1年後の更新のタイミングで6人ぐらいメンバーが減っちゃったことがあったんですね。普通に考えると残ったメンバーの意欲も下がりそうですよね。でも実際は逆だったんですよ。残った人達は、これならみんな同じ思いでまとまることができるっていう風に確信できて、むしろ前向きになれたんですよね。もちろん人数を減らすこと自体が目的ではないんですけども、ただ次の成長のために一時的に人数が減るということが必要な場合もあると思うんですよね。

大竹:逆の例もありますね。あるチャプターでは最初にグローバルにビジネスをする経営者が集まるという明確なコンセプトを持ってスタートしました。そのために英語を使えることが参加する人達の大切な共通点、条件だったわけですね。ところが途中で人数が減ってきてしまって、とにかく人を増やさなきゃならないということになった。そこで最初に決めたコンセプトとは異なる人も受け入れるようになっていきました。一人一人に問題があったわけではありません。ただ人数を優先するうちに、最初に決めた北極星が少しずつぼやけていってしまったんですね。結果としてチャプターの求心力がなくなり、最後は解散するということになってしまいました。

安: ありますよね、そういうことね。最初に北極星を決めてても、それで終わりってわけではないんですよね。

大竹: そうなんですよね。庭も最初に設計図を書けば終わりということではなくて、手入れをやめれば雑草が増えますし、その場しのぎで何でも植えていけば、いつの間にか最初に目指していた庭ではなくなってしまう。チャプターも人数が減った時ほど、誰でもいいから増やそうと考える前に、私たちはどんな人達とどんな価値を生み出すチャプターなのか、これを確かめる必要があるという風に思います。

大野: いや本当そうですよね。人数を増やすということはもちろん大切なんですけれども、ただ何のために増やすのか、どんな人に仲間に加わってほしいのかっていう、この北極星を忘れてしまうと人数が増えてもチャプターの力が一つにまとまらなくなってしまいますよね。

安:では未来が見えにくくなっているチャプターはどこから始めたらいいんでしょうか。

大野: そうですね。まず今の延長線上に自分たちが望む未来はあるだろうかっていう風に率直に問いかけてみていただきたいと思います。もし答えがこのままではちょっと難しいっていうことなのであれば、次に今後もこのチャプターを続けていきたいと思う人達で、誰のどんな役に立つチャプターでありたいのかというのを話してみる。人数が少ないチャプターであれば全員で話すこともできます。一方で人数が多ければ、まず少人数のチームで原案を作って、その後メンバーの声を聞きながら磨いていくっていう方が現実的だと思います。ただ言葉だけをまとめるのではなくて、なぜその未来を目指したいのかというストーリーまで伝えるってことが大切ですね。

大竹:そして北極星を決めたら毎週の判断に使うということですよね。例えばこの人にチャプターへ加わってほしいだろうか、この企画を実施すべきだろうか、このチャプターミーティングの進め方でいいだろうか、迷ったときに、それは自分たちが目指す庭に近づく選択だろうかということを考える。北極星は壁に飾る言葉ではなくて、日々の選択を揃えるためのものだという風に思います。

大野:そうですね。それから北極星は一度決めたら放っておけばいいというものではないんですよね。定期的に見上げて確認をする、自分たちの判断とか活動がその方向に合っているかを確かめる、必要であれば環境の変化に合わせてみんなで言葉を磨いていけばいいと思うんですね。

安: ありがとうございます。それではそろそろ終わりの時間が近づいてまいりましたが、大野さんや大竹さんからメンバーの皆さんへメッセージはありますか?

大野: はい、もし今ご自身のチャプターの未来を悲観しているとしたら、人数が減っているという事実だけを見て、もう難しいと決めつけないでいただきたいと思うんですね。それは本当に同じ方向を目指したいという人達でチャプターを作り直す良い機会かもしれません。全員を無理に一つにまとめようとするのではなくて、私たちはどんな未来なら本気で目指したいのかというのを率直に話し合ってみてください。北極星が見つかれば人数が少なくても、一人一人が同じ方向へ力を注ぐことができます。その状態が次の成長の土台になるはずなんですね。

大竹:庭は植物の数だけで魅力が決まるものではないと思うんですね。どんな庭を作りたいのかがあって、その庭に合う植物が育って、それぞれが実りを分け合っている、だからこそ人が訪れたくなる場所になります。チャプターも同じで、まず人数を増やすことではなくて、自分たちは何のために集まっていて、誰に価値を届けたいのか、これを確かめることが必要な時があると思います。そして全員が少しずつ手をかけ育った実りを互いに分け合う、それはBNIの理念であるギバーズゲインを形にすることでもあるという風に思いました。

安: 大野さん、大竹さん、ありがとうございます。今日のお話を伺ってチャプターの北極星というのは、みんなが反対しないきれいなスローガンではなくて、自分たちはこの未来を選ぶんだという意思なのだと感じました。だからこそ途中から作るのは簡単ではありませんし、全員の合意を得ようとするだけではうまくいかないこともあるんですよね。一方で人数が減った時やこれまでのやり方では未来が見えなくなったという時は、自分たちの庭を作り直す機会にもなります。まずは今の延長線上に私たちが望む未来はあるだろうかと問いかけてみる、その答えが新しい北極星を探す最初の一歩になるのではないでしょうか。改めまして大野さん、大竹さん、ありがとうございました。

大野: ありがとうございました。

大竹: ありがとうございました。

安: 最後までお聞きいただきありがとうございます。今回のお話はいかがでしたでしょうか?皆さんからのご意見やコメント本当に励みになります。よろしければInstagramやYouTubeで発信しておりますので、公式サイトと合わせてぜひコメントを残していただけると嬉しいです。皆さんの声が次回のトピックや内容をより良くしていくための大切なヒントになるかもしれません。一緒にこのポッドキャストを成長させていければと思っています。それでは次回もオフィシャルBNIポッドキャストでお会いしましょう。See you next week.

第281回 これを知らずに役職を引き受けるとヤバい

このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社とビジネスの自走化を支援するActionCOACHの提供でお送りいたします。

第281回は「これを知らずに役職を引き受けるとヤバい」と題してお送りいたします。

安: よろしくお願いします。

大野: お願いします。

大竹: では大野さん、今日のテーマなんですが、どんなテーマでいきましょうか?

大野: はい、今日は私が以前実際に経験した、ちょっと残念なお話から始めていきたいと思っています。以前、私がディレクターをやっていた頃に担当していたチャプターがあったんです。そこに金融分野に特化した行政書士という方が入られたんです。私も元々、金融業界で仕事をしていたので、その方が入会された時に、この人すごい、行政書士って普通だと結構幅広くいろんな分野があるんですけど、金融という結構尖ったというか特定の分野でやられていたので、私の人脈とかを紹介できるかなと思っていたんです。

大竹: はい。

大野: なんですけど、結局私からその方にリファーラルを出すことは一件もできなかったんですよ。

大竹: うーん、なんかそれは意外ですね。専門分野も大野さんの人脈に合っていて、紹介できそうな案件もあったわけですよね。それでもなぜ紹介しなかったんでしょうか。

大野: そうですね。理由はその方がどんなサービスを提供していたかという事とはあまり関係なくて、私はその方の行政書士としてのサービスを体験したわけでもないし、実際にお仕事を依頼したわけではないんですよね。

大竹: うん。

大野: ただその方がチャプターのリーダーシップチームの一員として役割を担ってくれていたので、毎週仕事ぶりを見る機会があったんですよね。その中で実は残念ながら、ちょっとどうかなと、約束したことが守られないとか、必要な確認すべきことを確認できていないとか、連絡もレスポンスも悪いし、結構大事なポイントで穴があるような仕事ぶりだったんですよね。そういった場面を何度も目にしてしまっていたので、一つ一つってそんなに大きなことじゃなくて、誰にでも起こり得ることだったのかもしれないんですけど、それがもう度重なっていたので、いやーこの人に自分の大切な人脈をご紹介して本当に大丈夫なんだろうかっていう、結構不安な気持ちになってしまったんですよね。

大竹: なるほど。じゃあその人のサービスそのものを見たわけではないんだけれども、チャプターでの仕事ぶりからその方の本業の仕事を想像してしまったっていうことですかね。

大野: そうなんですよね。これって実は私だけではなくて、おそらく周りのメンバーも同じように感じてたんだと思うんですよね。だからその方は結構専門性も高かったし尖っていたので、本来であれば多くのリファーラルに繋がる可能性はあったと思うんですよね。それだけに本当にもったいないなと思いましたね。この経験をして、マイズナーさんがよく話していた言葉を思い出したんですよ。それは何かというと、皆さんももしかしたら聞かれたことがあるかもしれないんですけど、一つの仕事のやり方っていうのは、その人のすべての仕事のやり方に等しい、っていうことをよく仰っているんですよね。なので今日はこの言葉について、皆さんと一緒に掘り下げてみたいと思っています。大竹さんはこの言葉って聞かれたことありますよね。

大竹: そうですね。最初に聞いたときはちょっと極端な言葉に聞こえたんですよね。仕事と一口に言ってもいろんな種類があるし、得意な仕事もあれば苦手な仕事もあるので、そのBNIの中での役割と、お客様からお金をいただいて行う本業では、本人の意識も違うかもしれないと思ったんですけど、ただチャプターでいろんな方を見ていて、確かに共通するものもあるなという風に思います。例えば仕事が丁寧な方というのは、チャプターでの役割も丁寧なケースが多いですし、連絡も早いというケースが多いという風に思います。相手が困らないように少し先回りをして考えているということも多いのかなという風に思います。反対にこれぐらいでいいかなというような姿勢は、いろいろな場面に現れてしまうように思います。

大野: そうですよね。ここで言う仕事のやり方っていうのは単に作業手順ということではないと思うんですね。むしろ私は仕事への向き合い方という風に受け止めてるんです。やっぱり責任を持って最後までやりきるのか、約束したことを守れるのか、相手が必要としているところまで考えられるのかとか、自分では終わったつもりでも、本当に相手にとって使える状態に仕上がっているのかとか、それでやっぱり出来上がったもののクオリティ、これは商品だろうとサービスだろうと、どこまでそれをこだわるのかっていう所だとか、やっぱりそういった仕事への責任感とか姿勢っていうのは、一つの仕事だけに現れるものではないと思うんですね。

大竹: なるほど。つまり仕事の種類が同じということではなくて、仕事に向き合う姿勢がどの仕事にも現れるということですね。

大野: その通りだと思うんです。例えばチャプターの中で何か役割を引き受けたとするじゃないですか。プレジデントだったり、バイスプレジデント、書記兼会計かもしれませんし、ビジターホストとか、あるいはイベントの担当かもしれませんね。その時にこれは本業じゃないし、お手伝いだから、報酬もらっているわけじゃないし、ボランティアだから、このくらいでいいだろうみたいな風に考えてしまうことがあるんだと思うんですよね。でもやっぱり紹介する側、周りのメンバーからすると、本業かどうかってあまり実は関係なくて、その人が目の前の仕事にどうやって向き合っているかっていうのを見てるわけなんですよね。やっぱり責任を持ってやっているか、準備しっかりしているかとか、丁寧に仕上げようとしているかとか、あるいはミスがあった時に人のせいにせず、真摯に対応しているかどうかとか、周囲の期待に応えようとしているかっていうところ、そういった姿勢を通じて本業での仕事ぶりっていうのは、周りのメンバーっていうのは想像しているんですよね。

大竹: なるほど。本人としてはこれはBNIの役割だから、本業とは別と分けて考えているかもしれませんが、見てる側は分けていないということですよね。

大野: そうなんですよね。そこに実は大きな落とし穴があると思っていて、本人は本業ではちゃんとやってるんですよって思ってるかもしれないですけど、周りの人は本業を実際に体験する機会がないわけだし、紹介する前に、リファーラルを出す前に、見ることができるというのは、チャプターでの仕事をどんな風にやってくれているかっていうところなんですよね。つまりメンバーにとっては、チャプターで見えているその人の姿っていうのが、その人の仕事への向き合い方っていうのを判断する材料になるということだと思うんですよね。だからBNIっていうのは、商品とかサービスを実際に購入してもらう前から、自分の仕事ぶりとか仕事に対する姿勢っていうのを見てもらえる場所だということも言えると思うんですよね。

大竹: そう考えると、チャプターで役割を持つということは、単に負担ということではなくて、自分の仕事ぶりを知ってもらう機会でもあるということですね。

大野: 本当にそうだと思うんです。よくチャプターの役割を依頼されると、「いやーちょっと忙しいのでできません」とか、「本業に集中したいんでこの役割はお引き受けしたくないんですよね」とか、そういうことって聞いたり言ったりすることがあるのかもしれないんですけど、もちろん本当に時間の確保が難しい場合もあるとは思うんですけども、チャプターの役割を果たすこと自体が実は自分のビジネスに繋がる可能性があるという視点は持っておいていただきたいと思うんです。やっぱり役割を通じて例えば、計画する力だとか人と協力する力、期限を守る、納期を守るとか、委任する、自分が全部囲い込んでしまうんではなくて、人に任せるっていう力ですよね。あと問題が起きた時に対応する力も大切ですよね。そして一定のクオリティで仕事を仕上げていくっていう力、そういったものが現れてくると思います。同時にそういったものを磨く機会にもなりますよね。

大竹: BNIではそうした日々の一挙手一投足が信頼に繋がっていくというわけですね。

大野: そうですね、BNIではVCPプロセスという考え方がありますよね。Visibility視認性、Credibility信頼性、そしてProfitability収益性ということで、まず自分の存在や専門性というのを知ってもらうところから始まって、これがVisibilityですよね。そして次にこの人なら安心して紹介できるなと思ってもらう、Credibilityの段階です。そしてその信頼というものが、リファーラルやビジネスに繋がっていく。そしてリピートしてもらえるような、これがProfitabilityのところですよね。やっぱりチャプターの中で役割を果たしたりとか、他のメンバーを支援していくということは、このCredibilityを高めていくとても大きな機会なんだと思うんです。

大竹: 反対にその役割を引き受けたことで、信頼を下げてしまう可能性もあるということですね。

大野: そうなんですよね。残念ながらそういうこともありますよね。役割を引き受けない方がまだ良かったっていう、結果論だと思うんですけど、そういう状態もあり得るわけですよね。引き受けた以上は周りはその人の仕事ぶりを見るわけですし、準備不足なのか、ちゃんと期日を守っているのかとか、問題が起きたときにどういう風に対処するのか、あるいは放置しちゃうのかとか、それとも自分から状況を説明して、解決に向けて主体的に動いていくのかとか、役割を果たす姿そのものというのが、信頼を積み上げていくこともあれば、崩していってしまう、下げてしまうということもあると思います。なので私は役割を引き受けるのであれば、片手間では決してやらない方がいいと思っています。完璧である必要はないと思うんですけど、 持って向き合うっていう、そういった姿勢を見せる必要はあると思うので、分からないことがあれば聞く、難しいことがあれば早めに他の人に相談するとか、一人で抱え込んでしまうんじゃなくて、周りに協力を求めるっていうのは大事なことだし、それと最後まで責任を持ってやりきるっていうことですよね。

大竹: 一つの仕事のやり方という言葉の中には、完成した仕事のクオリティだけではなくて、途中のコミュニケーションや問題の向き合い方も含まれているということですね。

大野: その通りだと思います。やっぱり仕事のクオリティっていうと完成品だけを思い浮かべるかもしれないんですけど、でも仕事の品質クオリティというものには、そこに至るまでのプロセスも含まれると思うんですね。連絡が早いとかレスポンスが早いとか、途中経過を伝えてくれるとか、相手に不安を与えない、あれどうなってんだろうとかね、不安を与えないとか、約束守るとかももちろんですけど、やっぱりできないことを曖昧にしておかないとか、あとはミスがあったときにすぐに認めて修正していくっていう、そういったことも全て仕事のクオリティだと思うんですね。むしろ専門的な知識だとか、技術っていうものについては、紹介する側にはわからない場合もあるので、行政書士の仕事の専門的な良し悪しっていうのを、一般のメンバーが判断するのは難しいですよね。でも責任感だとか、対応の丁寧さ、約束を守る姿勢っていうのは誰にでもわかると思います。だからこそ日常の日頃の行動がとても重要なんだということですよね。

大竹: なるほど。専門性の高さとか実績だけでは、紹介には繋がらないということなんですね。

大野: そうですね。専門性高いってことはもちろん大切なんです。ただ紹介する側っていうのは、この人は仕事ができるかっていうことだけでなくて、この人に自分の大切な人を安心して任せられるかっていうことを考えているので、いくら知識とか業界の知識とか技術が高くても、やっぱりレスが悪いとか、約束を守ってくれないとか、対応が雑とか、最後まで責任を持たないということは、紹介する、リファーラルを出すのは難しくなっちゃいますよね。反対に誠実に対応してくれる、あるいは丁寧に仕事をして相手のことを考えて行動するという人には、自然とリファーラルが集まると思うんですよ。

大竹: ここまでの話を聞くと、BNIのチャプターはその人の仕事への向き合い方を見てもらうショールームのような場所とも言えそうですね。

大野: いい表現ですね。まさにそうだと思います。毎週同じメンバーと活動する中で、どんな準備をして、人の話をどう聞いているのかとか、約束にどう向き合うのかとか、あとは誰かが困った時にどう行動しているのかとか、この小さなことの積み重ねっていうのを見てもらうことができるわけですよね。そして面白いのは、特別にアピールしようとしなくても、仕事への向き合い方っていうのは自然に伝わるっていうことなんですよね。言葉では私は丁寧な仕事をしますとか、責任を持って対応しますというのは誰でも言えることなんですけど、でも本当に信頼されるのは、その言葉が日頃の行動と一致してるっていう人ですよね。

大竹: なるほど。ウィークリープレゼンテーションでよく聞く言葉ですね。それは言葉で言ってもあまり効果がないということですね。ありがとうございます。それではそろそろ終わりの時間が近づいてきましたので、最後に大野さん、メンバーの皆様にメッセージをお願いしてもよろしいでしょうか。

大野: 今日はお伝えした、一つの仕事のやり方は全ての仕事のやり方に等しいという言葉は、仕事の種類だとか手順が全部同じだという意味ではないんですね。仕事への向き合い方というのは隠せないという意味だと受け止めています。責任感、約束を守る姿勢、仕事の丁寧さ、相手への配慮、最後までやりきる力、そして出来上がった仕事のクオリティ、そういったものはやっぱり一つの仕事だけ、特別に変えられるものではないので、普段の仕事への向き合い方が、自然と全ての仕事に現れてしまうということですよね。BNIでは商品やサービスを体験してもらう前から、自分の仕事への向き合い方を見てもらうことができる。売り込む必要はないんですよね。これは逆に少し怖いことでもあるんですけど、でも同時にすごく大きなチャンスでもあるんですよね。なので今週1週間、ご自身がチャプターの中で引き受けている一つ一つの仕事を振り返ってみていただきたいと思うんです。それは小さな役割かもしれないし、もしかしたら誰にも頼まれていないことで、自身からこういうことをみんなのためにやっていこうと思われたことかもしれません。でもその一つ一つの仕事への向き合い方っていうのが、やはり皆さん自身の信頼っていうのを作っていくので、誰かに見られているから丁寧にやるっていうのではなくて、自分はどんな姿勢で仕事をする人でありたいのか、ということを意識していただきたいと思います。私自身も当然今でも完璧ではないですし、むしろ欠点だらけかもしれません。でもだからこそ目の前の小さな仕事に、どのように向き合っているのかというのを、これからも振り返っていきたいと思っています。

大竹: ありがとうございます。BNIでは毎週の活動を通じて、自分の仕事への向き合い方を知ってもらうことができる。役割がある人もない人も、今自分にできることは何だろうと考えて行動することが、信頼に繋がっていくということですね。ぜひ皆さんも自分の本業だけではなく、チャプターの中での小さな行動も含めて、仕事への向き合い方を振り返ってみてはいかがでしょうか。

安: 大野さんそして大竹さん、ありがとうございました。最後までお聞きいただき、ありがとうございます。今回のお話はいかがでしたでしょうか?皆さんからのご意見やコメント本当に励みになります。よろしければInstagramやYouTubeで発信しておりますので、公式サイトと合わせて是非コメントを残していただけると嬉しいです。皆さんの声が次回のトピックや内容をより良くしていくための大切なヒントになるかもしれません。一緒にこのポッドキャストを成長させていければと思っています。それでは次回もオフィシャルBNIポッドキャストでお会いしましょう。See you next week!

第280回 肩書だけのリーダーシップ

このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社とビジネスの自走化を支援するActionCOACHの提供でお送りいたします。

第280回は「肩書だけのリーダーシップ」と題してお送りいたします。

安:それでは大野さん大竹さん、本日もよろしくお願いします。

大野: よろしくお願いします。

大竹: 今回のテーマは肩書だけのリーダーシップです。リーダーというと社長とか部長、BNIでいえばプレジデントで、肩書を思い浮かべる方も多いと思います。でも本当に肩書があればリーダーと言えるのか?今日はその辺のテーマについて大野さんと一緒に考えていきたいと思います。大野さんよろしくお願いします。

大野: ありがとうございます。まず最初に答えから、肩書とリーダーシップって全く別のものというか、次元が違う言葉だと思うんです。例えば役職っていうのは団体とか組織やチームから与えられるものだと思うんですけども、リーダーシップっていうのは周りから認められるという類のものだと思います。私自身もこんな質問を自分自身にも投げかけます。もし今日自分に肩書がなくなったとしても、チームのメンバーは自分についてきてくれるだろうか。この問いが本当のリーダーシップというものを考える上で、とても大切な問いだと思うわけです。

大竹: なるほど、とてもいい質問ですね。すごく怖い質問でもあるなという風に思いました。肩書だけのリーダーシップにはどんな特徴があるんでしょうか。

大野: そうですね、共通した思い込みみたいなのがいくつかあると思うんですけれども、例えば指示を出すっていうことがリーダーの仕事だと信じているっていうのが1つ。それと肩書があれば人は動いてくれると思っている。そして3つ目がメンバーの話を十分に聞こうとしない。
そして管理することが成果につながると信じている。最後に失敗すると誰か他の人、特にメンバーのせいにしてしまう。このあたりが共通する思い込みという風に思っています。こうした思い込みがあると、メンバーは受け身になってしまいますし、人は命令によっては動くことはできるんですけども、それって主体性がないというか、自らの意思で動くことにはならないので、あまりいい形にはならないかと思います。

大竹: なるほど、今BNIの組織、いわゆるチャプターの例でお話をしていただきましたけども、BNIと会社組織ではちょっと違う部分もあると思うんですが、その辺について聞かせていただけますか?

大野: そうですね、やっぱりBNIというのは、ある意味非常にユニークな組織ではあると思うんです。例えば肩書があっても、会社のように雇用関係にあるわけではないし、上下の関係があるというわけでもないです。従属する必要性もないわけです。命令系統のような、軍隊みたいな命令系統も当然ないわけです。指示をしてもそれを聞いてもらえるっていう保証はほとんどないわけですよね。往々にして反発を受けて終わってしまう、何も進まないっていうことで終わってしまうケースが多いような気がします。だからこそBNIっていうのは、肩書じゃなくて、むしろ影響力っていうのが求められるという風に言えると思います。特にチャプターが成長するかどうかっていうのは、例えばプレジデントという肩書ではなくて、その人のリーダーシップというものにかかっていると言えるんじゃないでしょうか。

大竹: なるほど、今影響力というキーワードも出ましたけども、だとすると、あるべきリーダー像というのはどんな人なんでしょうか。

大野: そうですね、私が思うにリーダーというのは、作りたい未来というのを、これをチームのメンバーにイメージさせる人っていうのは1つの定義として思っています。そしてメンバーのために行動できる、そんな人ですね。さらにはチームとして上がった成果っていうものをチームメンバーのおかげだという風に言える人。あわせて失敗したら、もしうまくいかなかったら、それは自分の責任だと受け止めることができる人。そしてメンバーの成功っていうのを心から喜べるっていうのは大事だと思うんですよね。そういったリーダーのもとであれば、人は命令されたから動くっていうのではなくて、この人と一緒に未来を作りたいなとそう思って、自ら行動してくれるようになると思うわけです。

大竹: ありがとうございます。BNIのギバーズゲインの考え方にも通じる話だなという風に思いました。肩書ではなく、日頃の行動や信頼の積み重ねが人を動かす力になるということですね。

大野: その通りだと思います。肩書ってやっぱり任期が終われば、なくなっちゃいますけれども、信頼っていうのは任期が終わったとしても残るわけです。続いていくわけですよね。最後に視聴者の皆さんにぜひ質問を1つさせていただきたいんですけども、あなたのリーダーシップは肩書によって生まれているでしょうか?それとも周りの人から与えられた信頼によって生まれているでしょうか?そして最後にもう1つお伝えしたいことがあります。リーダーシップというのは肩書ではありません。毎日誰のために行動するか、これを選び続けるということなんです。その選択の積み重ねがやがて、周りからリーダーと呼ばれる人を作っていくということなんだと思います。ですのでリーダーシップとは役割ではない、リーダーシップとは毎日の選択なんだということですね。

大竹: ありがとうございます。リーダーシップとは誰のために行動するかを選び続ける選択だというお話、とても心に残りました。これを機会に皆さんもぜひご自身のリーダーシップについて考えてみてください。肩書がなくなった時、自分の周りの人たちはどう行動するのか、私自身も考えてみたいという風に思います。

安: はい、大野さん大竹さん、とても大事なお話をありがとうございます。私も肩書にとらわれてリーダーシップを発揮しようと思ってたことがあったのを今思い出しました。改めてリーダーシップとは影響力であったり、誰のためにっていうことを選択し続けるっていう、とても大事な言葉をいただいたなということで、私自身も自分のリーダーシップをまた見直すいいきっかけをいただいたなっていう気がします。それではそろそろ終わりの時間が近づいてまいりましたが、大野さんからメンバーの皆さんへメッセージはありますか?

大野: ちょうどBNIではリーダーシップチームの交代の時期になってきていますけれども、7月ですから、次の10月からの期がスタートしますけれども、そこに向けて新しいリーダーシップチームが決まって、それを引き受けてほしいという話が来ることもあると思うんですけども、どんな役割であっても、まずは肩書ではなくて、自分自身が選択するということですね。そこがすごく大事で、この選択なくして役だけ受け負ってもなかなか機能しないと思うので、ぜひそこの自分の選択、それを毎日続けていくということを、意識していただけたらいいんじゃないかなと思います。

安: ありがとうございます。改めて大野さん、大竹さん、今回はとても大事なお話をありがとうございました。最後までお聞きいただきありがとうございます。今回のお話はいかがでしたでしょうか?皆さんからのご意見やコメント本当に励みになります。よろしければInstagramやYouTubeで発信しておりますので、公式サイトと合わせて是非コメントを残していただけると嬉しいです。皆さんの声が次回のトピックや内容をより良くしていくための大切なヒントになるかもしれません。一緒にこのポッドキャストを成長させていければと思っています。それでは次回もオフィシャルBNIポッドキャストでお会いしましょう。See you next week!

 

第279回 【再配信】第150回 人脈の過小評価

このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社とビジネスの自走化を支援するActionCOACHの提供でお送りいたします。

今回は、第150回の再配信です。

プロジェクトマネジメントコンサルタントの男性メンバーは、同じチャプターのギフトバスケットを扱っている女性メンバーが、彼にリファーラルを出せるはずがないと思いこんでいた。
ところが、その女性メンバーの父親はその町で最も大きな製造業を営んでいて、まさにプロジェクトマネジメントのコンサルティング先としてはターゲットど真ん中だった。

目の前の人がどんな人と繋がっているのかは、その人を見ただけではわからない。
大切なのは、目の前の人がどんな仕事をしているかではなく、その人が専門としてやっている仕事をしっかりやってくれるメンバーを見出すこと。
周囲のひとたちの行動、振る舞いや言動に注意をすることも大切。

安:それでは、大野さん。

大野:はい。

安:人脈の過小評価というタイトルなんですが。

大野:はい。

安:こちらについてお話をしていただけますでしょうか。

大野:はい。これは英語版のほうの「You Never Know Who People Know」というものを意訳した形なんですけれども。

安:はい。

大野:英語版のエピソード206のストーリーですけども、あるチャプターの2人のBNIメンバーの話を紹介されていましたよね。

安:はい。

大野:プロジェクトマネジメントのコンサルタントの男性のメンバーと、ギフトバスケット、贈答品としてのバスケットですね。いろいろ詰めたというか、そういった贈答品を扱っている女性のメンバーの話ですね。

安:はい。

大野:コンサルタントのメンバーの方がギフトバスケットの女性メンバーに対して、ちょっと失礼な言葉を言ったらしいんですけども。「僕のために君は力になれないし、僕も君のためにできることはないよね」というような感じで、彼女に言ったそうなんですね。

安:いやー、ちょっと失礼ですね。

大野:ええ。ところが実はそのギフトバスケットの女性のメンバーのお父さまが市内で最大の製造会社を経営していて、プロジェクトマネジメントのコンサルタントのそのメンバーの彼が、まさに製造会社というのをリファーラル先として紹介してほしいと日頃言っていたんですね。

安:はい。

大野:彼女がギフトバスケットを商材にしているという理由だけで、彼に対してリファーラルなんかを彼女が出せるわけがないと思い込んでしまっているという構図が今回特徴的ですよね。

安:はい。うーん。何か同じチャプターでこういうやりとりがあるというのが、ちょっとメンバーの私としては寂しいなと思いますね。

大野:残念だと思いますよね?

安:残念ですね。

大野:はい。マイズナー博士が紹介されているストーリーで、25年から30年ぐらい前に、BNIメンバーの化粧品コンサルタントの女性の方が出したリファーラルというのは、最近までBNI史上最大のものだったというふうにおっしゃっていますね。

安:最大のものだったんですね。

大野:その方がロサンゼルスのおそらくお客さまのご自宅に訪問してフェイシャルエステを施していたということだと思うんですけども。女性のお客さまのご主人さまがぶつぶつと不平を言いながら、部屋の中を行ったり来たりしていたらしいんですよね。

安:はい。

大野:何度も行ったり来たりしているもんだから、「あなた、どうしたの?」というふうに当然聞きますよね。

安:はい。

大野:するとその旦那さんは、「実はグラフィックデザイナーが仕事をちゃんとしてくれないんだ」と。「明日にでも彼をそのグラフィックデザイナーを首にしたいから、別のグラフィックデザイナーが今すぐに必要なんだ」みたいな話をされたそうなんですね。

安:はい。

大野:その話を聞いていた化粧品コンサルタントのBNIメンバーは、「私、素晴らしいグラフィックデザイナーを知っていますよ」という話をされたんですね。

安:はい。

大野:「とてもいい仕事をしてくれる人で、私だけではなくて、私の友人の仕事もいくつもやってくれているんですよ」という。「自信を持って彼を薦められますよ」という話をされたんですよね。

安:はい。

大野:そこで彼は、「それは素晴らしい。彼の電話番号を知っていますか」というふうにすぐに聞き返したわけです。

安:はい。

大野:彼女は「ここに彼の名刺がありますよ」ということで、もちろんBNIの名刺ファイルを取り出して、彼の名刺を渡すわけですね。

安:うーん。

大野:さらに「実は明日彼に会うんです」と。「もしよろしければ、彼からあなたに電話をさせましょうか」というふうに彼に聞きます。すぐに彼は「はい。それはありがたい。お願いします」ということで、「今のデザイナーを明日首にするので、その人が新しいデザイナーになってくれそうで、良かったです」みたいな話をされたそうですね。

安:はい。

大野:早速、化粧品コンサルタントの彼女は翌日彼とのミーティングで、リファーラルを提供するわけですよね、彼に。ところが彼がですね、その彼というのはそのお客さまのご主人ですよね。その彼が「何をしているのかも、そしてどんなプロジェクトを抱えているのかも知らない」と言うんですね。

安:はい。

大野:「ただ少なくとも、今のグラフィックデザイナーを今日首にすると言っていた」と。

安:はい。

大野:「だから、新しいデザイナーを今すぐにでも見つけたいということは確かだから、すぐに電話したほうがいいわよ」というふうに彼に名刺を渡したんですね。

安:はい。

大野:その名刺にはCEOという肩書しか書いていなくて、その会社がどんなことをやる会社なのかは書かれていなかったので、どんなプロジェクトなのかというのは知る由がなかったわけですよね。
それがなんと分かったことは、彼は映画のプロデューサーだったんですね。数カ月後に配給される予定の新しい映画のグラフィックデザインをするというのがプロジェクトだったんだそうです。

安:なるほど。

大野:結局、BNIチャプターのグラフィックデザイナーに、彼が電話をしてくれて、面談することになって、採用してもらえたんですよね。

安:うーん。

大野:彼はその映画の仕事を見事にこなして、すごい満足をしてもらったんですね。次の映画の仕事も任せられるということにつながったわけですね。

安:はい。

大野:結果として彼にとって、数千万円規模のビジネスにつながったということなんですね。

安:すごいですね。

大野:うん。ですから大きい規模のリファーラルがフェイシャルエステをやっていた化粧品コンサルタントから出たというのが、今回の面白いところですよね。

安:確かに。

大野:今この2つのストーリーをご紹介したわけですけども、まず最初のギフトバスケットを扱っている女性のメンバー。お父さまが製造業を営んでいて、同じチャプターのメンバーもプロジェクトマネジメントコンサルタントをやっている男性が、まさにその製造業の経営者を探しているという状況だったわけです。

安:はい。

大野:でも、彼女がそうした人を彼に紹介できるはずがないと思い込んでしまっていたという…なんか面白いというか、残念というか。

安:そうですね。

大野:はい、でも、これは結構ある話だと思うんですよ。

安:はい。

大野:そんな経験は安さんはありますか。

安:私自身はというわけではないんですが、ただやっぱり同じように思ったことはありますね。まさかそのメンバーの方の後ろとか、ご親族に、そういう方がいるというのは、話を聞いてみないと気付けないことですからね。

大野:そうですね。顔に書いてあるわけではないですもんね。私は誰とつながっていますなんて書いてないので。

安:確かに。

大野:結構私もBNIの説明会に来ていただいた外資系のプライベート・バンキングの方ですね。やっぱり資産家とかね、金融資産を結構お持ちの方をお客さまにしているわけですけど。その方が自己紹介のときに、「どうやら場違いなところに来てしまったようで」と言い出したんですよ。と申しますのも、「弊社では、金融資産が少なくとも3億、そのうち弊社にお預けいただける額が1億以上の方を対象にしておりますので、申し訳なかったなというふうに思っています」みたいな。

安:えー。

大野:はい。残念なプレゼンでしたけども。その中には、そういった資産家を知っている人が、私も実際知っていたんですけども、同じ部屋にいた人たちの中には、そういった富裕層を知っている人も何人かいたわけですよ。

安:はい。

大野:それを名刺交換したときの、どこで判断したか分からないですけどね。「ちょっと場違いだったな」というふうな発言をしてしまったのは、もったいない話だなと思いますよね。

安:確かに。その先のつながりを自分から絶ってしまったってことですからね。

大野:うーん。先ほどの化粧品コンサルタントの方が、チャプターにメンバーシップの申し込みをした際に、実は一部のメンバーがグループにふさわしくないというようなコメントをされたらしいんですよ。でも結果として大きな、BNI史上でも記録に残るようなリファーラルを出されているわけですよね。

安:はい。

大野:だから大切なのは、どんな専門分野を仕事としているかということよりも、その専門としてやっている仕事をしっかりやっている、そういったメンバーを見いだすことなんだと思うんですよね。いわゆるプロ意識、プロフェッショナリズムというんですかね。

安:はい、大事ですね。

大野:はい。もう一つのポイントとしては、やっぱり周りの人たちの行動とか振る舞い、そして、何を言っているか、言動ですよね。この辺に注意というか気を付けて、そういったことにアンテナを張っておくということですよね。

安:はい。

大野:例えばさっきの旦那さんの落ち着いていない行動、うろちょろうろちょろしているみたいな。そこに気が付いて、「あなた、どうしたの?」と質問したわけですね。

安:はい。

大野:そこは大切なポイントかもしれませんよね。

安:うーん、ですね。

大野:「明日グラフィックデザイナーを首にするんだ」みたいな。これは大切なサインで、見逃してはいけませんよね。

安:確かに。それではそろそろ、終わりに近づいてまいりましたが、大野さんからメンバーの皆さんへメッセージはありますか。

大野:はい。これは結構多い思い込みというんですかね。目の前の人がどんな人とつながっているかというのはやはりなかなか分からないものです。私もタクシーの運転手さんと話をしていて、その人が持っているつながりにびっくりしたこともありました。

安:あー、どんな?

大野:奥さまがとても大きな会計事務所の所長さんをやっていると言うので。

安:うわーお。

大野:「私は妻に食べさせてもらっていますので」みたいな。
その辺を、目の前の人の人脈の広がり、可能性というところを、過小評価してしまいがちなので、そこを「ちょっと待てよ」と。「もしかしたらこの人は大変な人とつながっているかもしれない」ということを忘れないで覚えていただきたいなというふうに思います。
ぜひまた、このチャプターでこのストーリーをシェアしていただければと思います。

安:そうですね。

大野:はい。

安:人脈の棚卸しじゃないですけれど、やっぱりどういう人とつながっているかということをまず自分自身も開示するということも大切でしょうし、それを相手からしっかり聞くっていう、そのきっかけを作るというのは、すごく大事だと思いました。

大野:ただそういう人脈をひけらかす人というのはあまり多くはないです。中にはいますけどね。

安:あー、確かに。

大野:むしろ、ひけらかしている人よりも、大切にしている人のほうがむしろ大事じゃないですか。

安:はい。

大野:それを開示してもらうというか、教えてもらうためには、やはり1to1を重ねて、信頼関係を作っていくということが欠かせないプロセスだと思うんですよね。

安:そうですね。

大野:はい、そこを忘れないでいただきたいと思います。

安:はい。ありがとうございました。

大野:ありがとうございました。

安:今回もBNIジャパンナショナルディレクターの大野代表と、私BNIメンバーの安紗弥香でお送りいたしました。このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社の提供でお送りいたしました。それでは次回もオフィシャルBNIポッドキャストでお会いしましょう。See you next week.