第287回 【再配信】第161回 ガレージからグローバルへ

このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社とビジネスの自走化を支援するActionCOACHの提供でお送りいたします。

マイズナー博士がBNIを本格的に事業化しようと決めた頃に描いていた世界1万チャプターという目標がまもなく実現しようとしている。ガレージからグローバルへとBNIを成長させる12の秘訣とは?

今回は、第161の再配信です。

安:さて、大野さん。

大野:はい。

安:今回はガレージからグローバルへということで、前回のお話の続きにもなるお話ですね。

大野:そうですね。前回はBNIの起源についてお話をさせていただいたんですけれども。まさにBNIが一つのグループ、1985年の1月にスタートした1つのチャプターという段階から、今や世界で9400を超えるチャプター、27万人を超えるメンバーという規模まで大きくなったわけですけれども。

安::はい。

大野:それをガレージからグローバルへということで、そのプロセスですね。どんなふうにスケールアップをしてきたのかというところをお話ししていきたいと思います。

安:はい。

大野:まず1985年の最初の1年間で、なんと20チャプター、これは全然20チャプターを作ろうとか思っていなかったんですけれども。ご存じのとおり、今もそのルールがありますけれども、それぞれの専門分野から1人ずつだけメンバーになれるというメンバー枠がありますよね。これがあったせいで、やはり1つ目のチャプターに入れない人が出てきて、2つ目ができて、2つ目のチャプターにも入れない人が出てきて、3つ目のチャプターがということになったわけですよね。

安:はい。

大野:当初は2つ目のチャプターも作るつもりはなかったんだけれども、やはり周りのそういったぜひBNIを使ってビジネスをしたいという方の熱意に押されて、マイズナー博士が手伝ってきた結果、12月までに20チャプターができたという話でしたね。

安:はい。

大野:結局20チャプターができて、そこで初めてスケールアップを、規模を大きくしていくということを考え始めたんだそうです。35年間という、1985年から2020年までの期間、継続的に成長をしていますよね。

安:そうですね。

大野:そういった企業って、やはり世界的にもなかなかいないと思うんですよね、かなりレアだと思います。マイズナー博士は、これはコンセプト、そのギバーズゲインというコンセプトと戦略のたまものだという表現をしていましたけれども。そこについて、細かく見ていきましょう。

安:はい。

大野:時々マイズナー博士がおしゃっているんですけれども、かつてこの1985年から86年の、ちょうどスケールアップしていこうと考えたときに、イメージしたのが1万チャプターということだったんだそうです。それがまさに間もなく実現しようとしているわけですよね。

安:そうですね。

大野:9400ぐらいの今チャプターですけれども。10K、Kというのは1000という意味ですから、10Kというのは1万ということなんですけれども。世界で1万チャプターを目指そうと。今年2020年にそれを達成しようというのが、今、世界中のBNIで一丸となっているというところですね。

安:はい。

大野:今回そのマイズナー博士がエピソードの中で伝えてくれているのが、どうやってガレージの規模からグローバルな規模に組織を成長させてこれたのか。そこの秘訣を12のコンセプトをシェアしてくれていますので、それをご紹介していきたいと思います。

安:はい。お願いします。

大野:まず1つ目は、「Work ON your business, not IN the business」これはマイケル・ガーバーが言っている、提唱している考え方ですけれども。事業をやっていく上で、社長自らがそのビジネスの中にどっぷり漬かってしまって、歯車の一つになっているようでは駄目だと。

安:うーん。

大野:むしろon the businessということですね。in the businessではなくて、on the business、上から俯瞰(ふかん)できるような状態でビジネスをマネージ、成長させていくという考え方が大切だということですね。もちろん、BNIでもin the businessのマインドも大切にしてはいるんですね。なんだけれども、いわゆる自分が四六時中オフィスにいないといけないとかいう状態では、スケールアップは望めないということですよね。

安:そうですね。

大野:私もやっぱりもともと器用貧乏で、何でもある程度できちゃうので、自分でやっちゃおうという意識が強くあったんですよね。だから、最初の1人目の社員を3年たって初めて採用したんですよ。それまで1人でやったんですね。採用して社員ができたものの、何を任せたらいいかが分からないみたいな。自分でこれはやっちゃったほうが早いでしょうみたいな、隣で暇そうにしているぞみたいな、申し訳ない状況だったんですけれども。それはもう自分の弱みとして常に言い聞かせて、これは自分でやるべき仕事か、任せる仕事かみたいな。

安:大事ですね。

大野:そこをやっぱり意識して、自分がいなくても回る体制をつくっていく、というのが大切ですよね。

安:そうですね。

大野:こうやって、今になっては出張がかなり多いんですけれども、国内そして海外。不在にしている間も、スタッフのみんながチームとして機能してくれているので、ありがたい状況ですね。

安:そうですね。

大野:2つ目が、システムをつくりましょうということですね。マニュアルを作って、それをスタッフにできるように教えるというところだと思うんですけれども。それがないと、いつまでたっても自分で全てのことをやっていかなくちゃいけないということだと思います。先ほどの1つ目のコンセプトとつながっていますよね。

安:そうですね。

大野:3つ目ですけれども、これはもう皆さんがやっていると思うんですけれども、目標を設定するということ。例えば今年の目標だったら、年末までの目標を立ててそこから逆算をして、1月単位でそのアクションと小さい目標を設定するということですね。これは今までも話し、カバーしましたね。

安:そうですね。

大野:4つ目は、delegationですね。delegationってこれ日本語で言うと、権限委譲とか任せるということですよね。2つのコンセプトがあるというふうに紹介してくれているんですけれども、1つはresponsibility、これ責任ですね。もう一つは、authority、権限ですね。

安:はい。

大野:なので、責任だけじゃなくて権限も移譲してくださいということです。それをしないと、結局、責任だけ任せると、いろんな分野においてのことが全部自分にのしかかってくるということですよね。なので、95%の責任と権限を与えて、残り5%だけを自分でみるみたいな、そんな考え方なんだと思います。それだけ任せると、やはり任せたスタッフが、あるいは役員かもしれませんけれども、間違った判断をしてしまうということがあるかもしれません。それは仕方がないんですよね。

安:うーん。そうですね。

大野:そこの辺は割り切って、95は任せて残りの5%は、最後に責任を取るのは自分という、意識でいくのが大切かなと思いますね。

安:はい。

大野:5つ目は、数字を把握する。できれば毎日、少なくとも毎週、ウィークリー単位で数字を把握していくということを、マイズナー博士は推奨されていますね。

安:はい。

大野:毎月、マンスリーだとこれは、インターバルが長過ぎるというんですね。なので、ちょっとスローというか、スピードが遅くなってしまうので、数字の把握、あるいは報告をさせるという意味では、少なくとも週単位がいいと。可能であれば毎日数字の把握をするために報告をさせるということを勧めていますね。

安:はい。

大野:6つ目が、1000のことを6回ではなくて、6つのことを1000回やりましょうというのが6つ目のコンセプトです。bright shiny objectって以前にも取り上げた記憶があるんですけれども、そういった光り輝くものばっかりを、いろんなものを追いかけていって1000のことをやるよりも、もう6つのことに焦点を当てて、これを繰り返し継続的に一貫性を持ってやっていくということを大切にするということですね。

安:はい。

大野:7つ目、偉大な人たちで身の回りを固める。

安:うーん。

大野:これは深いですね。

安:そうですね。

大野:言うのは簡単なんですけれどもね。やはり、そういった意識を常に持って、自分のブレーンですとか、チームをつくっていくということなんだと思います。

安:はい。

大野:これは次の8番目のコンセプトにもつながると思うんですけれども、8番目は、「Ignorance on fire is better than knowledge on ice」という言葉があるんですね。これは、ファイヤっていうものですから、燃えている、熱意のある人のほうが知識を持った冷めた人よりもいいということですね。

安:なるほど、そういう意味ですね。

大野:なので、例えば採用だとか、自分の周りを固めるというときに、そういった人を探して採用するというんですかね、そういった考え方です。

安:はい。

大野:そして9つ目ですけれども、「Culture eats strategy for breakfast」、文化は戦略を朝食として食べてしまうという意味ですね。いくらすぐれた戦略があっても、そこにふさわしいカルチャーがなければ、無駄になってしまうという意味ですね。

安:はい。

大野:なので、チーム、会社の中、あるいはビジネスチームに適切なカルチャーを醸成させるということを大切にしなさいというふうにいっていますね。

安:はい。

大野:10個目が、自分のミッションを知るということです。BNIのミッションだったりとか、あとは会社の安さんのミッションもあると思うんですね、何でしたっけ。

安:私のミッションは、「コンビニから日本を元気に」。

大野:素晴らしい。BNIのミッション、リファーラルマーケティング、そしてBNIの仕組みを使ってメンバーにビジネスを創出する正しい方法を提供するということだったと思うんですけれども。そういったミッションを知るということが10個目。11個目が、「Work in your flame, not in your wax」ということで、自分が炎の中で、要するに熱意をもって取り組める、わくわく感を持ってできる仕事に集中すると。ワックスというのは、どろどろしているわけですから、何かやっていてもやろうとしてもなかなかうまくいかないと。だから、自分がわくわくしない、あるいは苦手、やりたくないみたいな、そういったものは、それが得意な、そういったことにわくわくする人に任せなさいという意味ですね。

安:はい。

大野:そして最後12個目ですけれども、ビジョンを共有するということで。先ほどのミッションと整理して、明確に区別しておくことが大切だと思うんですけれども。ビジョンを共有するということ、これは大切ですね。私も日頃から会社のビジョンをスタッフとシェアしたりとか、BNIのビジョンも、「Changing The Way The World Does Business」、世界のビジネスのやり方を変えるという話をよくさせていただいてますよね。

安:はい。

大野:以上の12個が、ビジネス、つまりこのBNIをガレージからグローバルに成長させたポイントだと、秘訣だというふうに紹介してくれています。皆さんだったら、どんなふうにご自身のビジネス、あるいはチャプターに当てはめることができるでしょうか。

安:はい。やってみたいですね。

大野:そうですね。

安:はい。それではそろそろ終わりに近づいてまいりましたが、大野さんからメンバーの皆さんへメッセージはありますか。

大野:はい。これせっかく貴重な12のガレージからグローバルへ成長させる秘訣を紹介してくれているので。チャプターのエデュケーションコーナ、学習コーナーで何回かに分けてシェアしていただいたら、いいんじゃないかなというふうに思います。

安:はい。ボリュームがたくさんありますし。

大野:そうですね。

安:はい。ありがとうございました。

大野:ありがとうございました。

安:今回もBNIジャパンナショナルディレクターの大野代表と、私BNIメンバーの安紗弥香でお送りいたしました。このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社の提供でお送りいたしました。それでは次回もオフィシャルBNIポッドキャストでお会いしましょう。See you next week.

第286回 答えは、持っていなくていい

このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社とビジネスの自走化を支援するActionCOACHの提供でお送りいたします。

第286回は「答えは、持っていなくていい」と題してお送りいたします。英語版のエピソード974をご参照ください。

安:それでは、大竹さん本日もよろしくお願いいたします。

大竹: よろしくお願いします。

安: 今回のテーマは「答えは、持っていなくていい」ということなんですけれども、大竹さん君津の方は今いかがですか?

大竹: そうですね、朝晩だいぶ涼しくなってきました。私君津市の久留里で観光のボランティアガイドをやらせてもらっているんですけど、ご案内するときに必ずお連れする場所があるんです。街中の井戸なんですけど。

安: 井戸ですか?

大竹: はい。久留里は水の街で環境省の平成の名水百選100選にも選ばれているんです。街のあちこちに自噴井戸があって、地元の方も観光の方もポリタンクを持って汲みに来られています。

安: もう、そのこと自体が観光名所になっているってことなんですね。

大竹: そうなんです。それで毎回面白いなと思うことがあって、井戸の前で皆さん話し始めたりすることがあるんです。「どちらから来られたんですか?」とか「これこのまま飲めるんですか?」って聞かれる方もいます。私が何もしていなくても勝手に会話が生まれているんです。

安: まさにあの井戸端会議ってやつですね。

大竹: そうですね。あれ比喩じゃなかったんだなって思いました。

安: ただそういう場面って私もあまり見ないんですけど、今は結構減っているかもしれないですね。

大竹: そうですね、減っていると思います。我々BNIの話でチャプターもオンラインでの開催が増えましたし、終わると画面を閉じてそれで終わりと。以前なら会場出るまでの廊下で勝手に話が始まっていたりしたと思います。だから今対面の機会を増やしていこうという流れにもなってきているのかなと思います。

安: なるほど。偶然には任せられなくなってきたということですね。

大竹: そうですね。そこが今日の話につながっていて、勝手に生まれないなら誰かが意図して繋ぐしかない。その時にヒントになるのがもう一度井戸なんです。井戸を持っている人って水を作っている訳ではないんですよね。

安: 作っていない?

大竹: はい。水は地下の水脈から勝手に湧いてくる。持ち主がやったのは水脈のある場所を見つけて、誰でも汲めるようにしておいた、それだけなんですね。なのに人が集まってくる。

安: なるほど。まさに今日はそのお話ということですね。このテーマの「答えは、持っていなくていい」というのは、大竹さんどんな方に向けた回になりますか?

大竹: そうですね、大体入会してから1年未満ぐらいですかね。リファーラルを出すことに苦労しているなと感じている方、それから自分には人に紹介できるほどの人脈がないという風に思っている方です。

安: その人脈がないっていうの本当によく聞きますね。

大竹: はい、多いかもしれませんね。今日はそこがひっくり返るといいなと思っています。

安: はい。まずそのきっかけになったお話があると伺ったんですがよろしいでしょうか。

大竹: はい。マイズナー博士の英語版のポッドキャスト974回です。タイトルが「Don’t Google, Greggle」というタイトルです。

安:「Don’t Google, Greggle」ですか?

大竹: そうですね、はい。ちょっと面白いんですけどゲストがイギリスのグレッグさんという方でロンドンの南東部のエグゼクティブディレクターになられた方なんです。着任をした時にその地域に人脈が全くなかったそうなんです。

安: ゼロからなんですね。

大竹: はい、ゼロからです。まず自分の会社の仕入れ先を全部BNIのメンバーに切り替えたそうです。その上で訪問する各チャプターで毎週全く同じことを言い続けたそうなんです。「私の仕事は皆さんがBNIのメンバーシップから最大の価値を受けられるようにすることです。ここに代表がいない商品やサービスをお探しのときは検索をする前にまず私に声をかけてください」と。

安: ネットで検索する前に私に聞いてくださいということですね。

大竹: そうですね。そこにこう添えていて、地域で使われたお金は外に出ていくまでにこの地域の中を5回から7回回りますと。一度外に出てしまうとそれきりなんですよね。だからググらないでグレッグに聞いて。それが縮まって合言葉になったと。

安: なんかちょっと似てますね。ご自身の名前がいわゆる動詞になっちゃったと。

大竹: なってしまいました。でもそこまで行くと強いですよね。何かを探している人の頭に検索窓よりも先にその人の顔が思い浮かぶわけですから。

安: なるほど。ただその方ってご自身で何かを提供してるってわけではないんですよね?

大竹: そこなんですよね。まさにさっきの井戸なんですけど、水を作ってはいないと。

安: これすごく大竹さん興味があるテーマとお伺いしてるんですけど、この回を取り上げようと思われたのはどんなきっかけがあったんですか?

大竹: ほとんど同じ時期に全く別のところから同じような話を聞いたんです。日本のある編集者の方が書かれていた文章で、書き出しが「その話ならあの人に聞けばいい」。

安: いますね、そういう人。

大竹: いますよね。ただ、ハッとしたのはこの続きなんです。その人は本人が答えを持っているとは限らないと。資格があるわけでも突出したスキルがあるわけでもない、それでも相談が集まってくる。答えを持っている誰かを知っているからなんですね。

安: それがまさに今日のタイトルなんですね。

大竹: はい。このイギリスの話と日本の編集者の方の話が全く同じことを言っていた。片方はどうすればそう思ってもらえるのかというやり方の話、もう片方はなぜそれがそんなにも強いのかという理由の話でした。

安: じゃあその理由の方をもう少し伺ってもよろしいでしょうか?

大竹: 人に何かを与えようとすると大抵コストがかかりますよね。お金を出すとか時間を使うとか。

安: どれも自分の何かが減っていきますね。

大竹: そうですね、減るように感じますよね。だから続かないということがあります。ところが、ほとんどコストのかからないギブっていうのが1つだけあると。人を繋ぐことなんですね。Aさんがこれで困っていたな、そういえばBさんがその専門だったな、と気づいたときに2人を繋ぐ。やることは例えばメッセンジャーでグループを作るということだったりします。数分でできて、お金は1円もかかりません。それなのにAさんからもBさんからも感謝される。

安: まさに1回の行動で2人から感謝されるってこと、いいですね。

大竹: そうなんです。しかもこれだけはAIにはできないと書かれていて、AIは情報も候補も出せます。でもこの2人を合わせたら面白いっていう判断は、両方の人間を知っていないと出てこないんです。

安: 確かに、その判断だけは知り合いにしかできないと。ただ、そんなにいいことなんだとしたら、なぜみんなやらないんでしょうか?

大竹: すぐには返ってこないからだと思うんです。紹介というのは複利なんですよ。お金や情報は渡した時点で終わります。でも紹介はAさんがBさんと繋がるとその先のCさんDさんとも接点ができていく。そして何かが起きた時に最初に繋いだ人の名前が必ず出てくるんです。

安: そもそも、あの人が紹介してくれたのがきっかけでみたいな。

大竹: それです。何年経っても言われ続ける。ただ複利ということは最初の数年は、ほとんど何も起きないということもあるんです。ここで辞めてしまう方が本当に多いと思うんです。

安: それが正直な話かなと思います。

大竹: 私自身返ってきた側の体験があるんです。私、コロナをきっかけに妻と2人で今の土地に移住をしたんです。縁もゆかりもない土地でした。越してきてすぐの頃に近所のおじさんが「ちょっと乗れ」ということで軽トラの助手席に乗せられまして、そのまま近所を1軒ずつ回って「今度越してきた大竹さんだ」と紹介して回ってくれたんです。

安: 素敵な方ですね。その方は何かを売っていたわけではない。

大竹: そうですね。私に何かを売ろうとしていたわけではありません。専門家でもありません。ただこの人をあの人に合わせておいた方がいいと思っただけ。その後野菜を山ほど分けてもらって、それで私たちここで生きていこうという風に決めたんです。

安: 移住を決められたのがその体験だったんですね。

大竹: そうですね。そして、おそらくあのおじさんは、自分が私の人生を変えたとは思っていません。多分覚えてもいないと思います。でもこちらは何年経ってもこうしてお話をしている。紹介というのは渡した側よりも受け取った側の方がはるかに強く覚えているものだと思います。

安: 逆に渡した側は忘れている。

大竹: 忘れてるんですよね。つまり自分が忘れている間もどこかで利息がついている。井戸も同じで掘ってすぐには湧かない。久留里に上総掘りという伝統の工法があって、竹のしなりを使って何ヶ月もかけて掘っていく。水脈に当たるまでは何も出ません。でも一度当たるとその後は自分で湧き続ける。紹介ってそれだなって思うんです。

安: なるほど。その上で最初の問いに戻らせていただきたいんですが、自分には紹介できるほどの人脈がないという方、こういう方はどうしたらいいんでしょうか?

大竹: ここは今日1番お伝えしたいところなんですが、必要なのは人脈の量じゃないんです。困り事の記憶なんです。

安: 困り事の記憶。

大竹: 安さんこの1ヶ月で誰かがこれで困っているというのを一度も聞かなかったという風に思われますか?

安: いえいえ、何度も聞いてます。

大竹: 聞いてるんですよ、みんな聞いてるんです。問題は覚えていないことなんです。その場では「大変ですね」って返してそのまま流れていってしまう。繋ぐ人っていうのは忘れないようにメモをしている。誰かが何で困っていたか、それだけ書いておくと、例えば1ヶ月後ぐらいに別の場所で答えの方から現れてくるんです。「その件なら得意です」という方に会う。そこで初めて繋ぐ。

安: 答えの方から来ると。

大竹: ですから必要なのは100人の知り合いじゃないと思うんです。10人の困り事を覚えていることなんです。

安: 10人だったらできそうな気がしてきますね。

大竹: そしてここは私が1番お伝えしたいところで、BNIってこの困り事を聞く場が毎週仕組みとして用意されているんです。ウィークリープレゼンテーションで毎週「こういう方を探しています」と全員が言う。「こういう方のお役に立てます」と全員が言う。1to1ではもっと深いところまで聞くことができる。世の中の人が何年もかけて集める情報が、毎週決まった時間に決まった場所で聞くことができると。

安: ただそれを聞き流してしまっているかもしれないと。

大竹: そうですね。あの時間は自分の順番を待つ時間ではなくて10人の困り事を受け取る時間なんです。

安: 聞き方がそうすると変わってきますよね。では具体的には何をすればいいでしょうか?例えば最初の話で出てきたグレッグさんは何かされてたんですか?

大竹: 4つ紹介されていました。1つ目はお客さんとの取引が終わった時に一言付け加える。「他に私に何かお手伝いできることはありますか?」と。その上で信頼している地元の事業者のネットワークがあることをお伝えすると。2つ目がたくさんの専門家の方の名刺が入った名刺ホルダーを手元に置いておくと。お客さんが書類に記入をしている間に目に入りますよね。「この中に気になる専門家がいらっしゃればお繋ぎしますよ」と言う。3つ目がメールの署名欄のところに「お繋ぎできる専門家の方です」ということで一文を入れておくと。4つ目がSNSで定期的に自分が一緒に仕事をしている専門分野の方の一覧を投稿しているそうです。

安: 投稿をするんですね。専門分野の一覧。

大竹: ここの大事なところは名前ではなくて専門分野だということなんですね。実はマイズナー博士もポッドキャストの中で同じことを仰っていて、インターネットがなかった時代手紙を送る時にリストに載せたのは人の名前ではなくて専門分野だったそうです。

安: その人ではなく専門分野というのはなぜなんでしょうか?

大竹: 名前を並べると宣伝になってしまうからなのかなと思います。でも専門分野なら読んだ人が「うちの実家はそれで困っていた」と思い出すことができる。相手の記憶を開ける鍵になり得るということですね。

安: なるほど。いわゆる受け取る側の記憶から頭が開いていくような感じですね。

大竹: そうですね。そしてこれ4つとも1人でできると。人脈の量もいらないと。今日の夕方からでも始められるということですね。

安: ちょっとやってみたくなりますね。それでは実際に繋ぐ時が出てきた時に気をつけることはありますか?

大竹: 1つだけ挙げるとするなら自分が抜けることを先に宣言することだと思います。「あとはお2人でお願いします」「私はここで失礼します」と。

安: 結構やってる方いますね、これ。先に言っておくってことですね。

大竹: 先に言っておかないと大竹さんも見てるしなという遠慮が生まれるんですね。繋いだ後に残るべきなのは、自分の存在感じゃなくて2人がうまくいったという記憶だけなんですよね。

安: ただ抜けるっていうのは投げっぱなしとは違いますね。

大竹: 違いますね。そこは正直にお伝えしたいところで、繋ぐことっていいことばかりではないんですね。紹介は自分の信用を担保に差し出す行為なんです。ですからとりあえず繋いでおこうをやると逆に信用が減ってしまいます。あの人の紹介は当たり外れがあると言われたらそこで終わってしまうと。

安: それは怖いですね。

大竹: 見返りが欲しくなったときも同じで。紹介料をください、その件は私を通してください、これを言った瞬間にブローカーのようになってしまう。見返りを求めない方が結果的にリターンは大きいというのは理屈としてはその通りなんですが、計算だと思ってやっていると相手に伝わってしまうんですよね。だから結局本当にこの2人が会ったら面白そうだなと思えるかどうか、そこしかない。湧き水って流れてるから澄んでるんですよね。堰き止めておこうとすると濁るんです。

安: これは私もいろいろと経験があります。イメージが湧いてきました。では大竹さん今週1つだけやるとしたら何から始めればいいでしょうか?

大竹: 手帳でもスマホでも構わないので、誰が何で困っていたかだけを書く場所を1つ決めてみるということです。そして今週のチャプターミーティングで自分の順番が終わった後、他の方の話から3人だけ書いてみるということです。解決策は書かなくてもいいので困り事だけ書いてみる。答えは後から向こうからやってくるということです。

安: 解決策は書かないということですね。

大竹: そうですね。先ほどの文章の締めくくりが私はとても好きでして。今週頭の中で困っている人を1人だけ思い出してほしい。そしてその困り事を解けそうな人を1人思い出す。思い出せたら繋ぐ。思い出せなくても構わない。その2人を探そうとした時点で、あなたの頭はもう繋ぐ人の動き方をしていると。

安: 探そうとした時点でもう。

大竹: 始まっているんですね。

安: それではそろそろ終わりの時間が近づいてまいりましたが、大竹さんからメンバーの皆さんへメッセージはありますか?

大竹: はい。毎週紹介を出そうとしているけれど思うようにいかない、自分には人に渡せるものが何もない、そう感じておられる方がいらっしゃったらお伝えしたいことがあります。私たちが与えることができるものは、仕事や情報やお金だけではないんです。私たちが覚えている誰かの困り事、これ自体がもう誰かにとっての価値なんです。それは今日から持つことができます。人脈の量も実績も年数もいりません。Givers Gain® 与えるものは与えられると私たちは言いますけれども、1番初めに与えることができるものは多分これだと思うんです。自分の中に誰かの困り事を置いておく場所を作ること。井戸を掘った人は水を作っていません。ただ水脈のある場所を知っていて誰でも汲めるようにしておいた、それだけで町の人が集まってくる。私たちが毎週やっていることは多分それと同じなんだと思います。

安: なるほど。大竹さん、ありがとうございます。今日のお話を私なりにまとめてみますと、まずテーマの通り答えは、持っていなくていいということでした。あの人に聞けばいいと言われる人は、答えを持っている誰かを知っているということでしたよね。検索窓よりも先に自分の顔が浮かぶかというところ、とても大事だなと思いました。繋ぐということは1番コストのかからないギブのところで、0円、3分でできる方法で、2人から感謝が返ってくるということです。ただこれはすぐに返ってくるものではありません。先ほどの軽トラのおじさんのお話が忘れられませんね。繋いだ側は忘れてて受け取った側が何年も覚えていると。自分が忘れている間も利息はついているというお話、大竹さんの実体験でお話を伺いました。そして人脈がないという方への答えに関してこれは困り事の記憶にフォーカスをするということでした。100人の知り合いではなくて10人の困り事というところです。しかもBNIはそれを毎週聞ける場所がチャプターミーティングという仕組みとして用意されているということでした。今週は誰かの困り事を3つ書き留めるところから始めてみたいなと思います。大竹さん改めてありがとうございました。

大竹: ありがとうございました。

安: 最後までお聞きいただきありがとうございます。今回のお話はいかがでしたでしょうか。皆さんからのご意見やコメント本当に励みになります。よろしければInstagramやYouTubeで発信しておりますので、公式サイトと合わせてぜひコメントを残していただけると嬉しいです。皆さんの声が次回のトピックや内容をより良くしていくための大切なヒントになるかもしれません。一緒にこのポッドキャストを成長させていければと思っています。それでは次回もオフィシャルBNIポッドキャストでお会いしましょう。See you next week !

第285回 正しさだけではチャプターは動かない

このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社とビジネスの自走化を支援するActionCOACHの提供でお送りいたします。

第285回は「正しさだけではチャプターは動かない」と題してお送りいたします。

安: それでは大野さん、大竹さん本日もよろしくお願いします。

大野: よろしくお願いします。

大竹: お願いします。

安: 9月に入りましたけれども大竹さん君津の方はいかがですか?

大竹: はい、稲刈りがだいたい終わりまして、刈った後の田んぼが茶色く広がっているような景色になっています。朝と夜だけ風はちょっと涼しくなってきました。

安: なるほど季節が変わっていく感じですね。大竹さんのお家は犬、猫あとヤギもいるんでしたよね。

大竹: はい、そうですね。ヤギに毎日教わっていることがありまして、ヤギってリードを引っ張ってもなかなか動かないんです。こっちだよって引けば引くほど四つ足で踏ん張ってしまうんです。力がすごく強いので正面から引っ張って勝とうとしてもこっちが負けちゃうんです。

安: なるほど、大人が引いてもですか。

大竹: 負けますね。どうしたら動くかっていうと行った先に美味しそうな草があるとヤギが思った時なんです。そうするとこちらが何も言わなくても勝手にどんどん歩いていく。むしろ止まらないという風になります。

大野: なんか人間と同じですね。

安: そうですね、まさに今日はそのお話です。今回のテーマは「正しさだけではチャプターは動かない」ということで大野さん今日はどんな方に向けた回になりますか?

大野: はい、今プレジデントをされている方とかそして次にプレジデントを任されそうな方、それからリーダーシップチームに入られた方、この3つの立場を皆さんに向けてお話ししたいと思っています。今日のテーマは頑張っているのに動いてもらえないという、あの感じについてです。

安: と言いますと。

大野: プレジデントになるともっとリファーラルを出してほしいとか、1to1もっとやってほしいとか、ビジターを呼んでほしい、BNIの仕組みを正しく使ってほしいという風に言いたくなると思うんですけど、どれも間違ってないんです。真剣な方真面目な方ほどこういうのがやっぱりはっきりプレジデントとして見えてくるんです。

大竹: ところが動いてもらえないと。

大野: そうなんですよね。言っていることは間違っていないはずなのになんで伝わらないんだろうって言っている人をよく見かけますよね。

安: なぜ伝わらないんでしょうかね。正しいことなのに。

大野: 1つ前提として押さえておかなくちゃいけないのが、プレジデントって上司ではないということなんです。会社なら上司には権限っていうのがあって、でもBNIは違うじゃないですか。メンバーはやっぱり全員自分のビジネスを持つ経営者だったり事業者なんです。だからプレジデントだから聞いてくださいっていう姿勢ではやっぱり人は動かないし、それどころか正論を強くぶつけるほど、なんでそこまで言われなければならないのっていう反発が生まれることが増えちゃうんです。

大竹: さっきのヤギと全く同じですね。リードを引っ張れば引っ張るほど動かないと。しかも役職というのがある分自分が引っ張っているってことに気づきにくいのかもしれませんね。

安: 具体的にはどういう伝え方が引っ張っているという状態になるんでしょうか。

大野: わかりやすい例を1つ言うとすると、ビジターの招待が少ないメンバーに対して今期のチャプターの目標を達成するために1人で3名を招待してくださいというのを伝えるとするじゃないですか。

安: はい。それはチャプターの目標から考えれば正しいですよね。

大野: はい、正しいんです。でもその方がなぜ招待できないのかというのを知らないとか、あるいはなぜ招待するべきなのかというのを伝えないまま言ったらどうなるか。

安: じゃあそのお話でちょっと1個基本に戻らせていただきますとそもそもなぜビジターを招待する必要があるんでしょうか。ここが自分の中で腑に落ちてないと言われた方も動けない気がするんです。

大野: 大切なところですね。大きく3つあると思っています。1つ目は単純に数の話です。チャプターの人数が増えると繋がりの数っていうのは足し算じゃなく掛け算で増えていきます。

安: 掛け算。

大野: はい。例えば10人のチャプターなら1対1の組み合わせリレーションシップ45通りあるわけですけど、それが20人になると190通りになる。人数は2倍ですけど関係の数というのは4倍以上になるんです。

安: 倍では済まないですね。

大野: 済まないですね。2つ目は業種の空きが埋まっていくということです。自分のお客様が困った時に、チャプターの中に紹介できる信頼できる仲間がいる。空いている業種とか専門分野が多いほどせっかくのリファーラルが外に出ていってしまうんです。

大竹: そして3つ目が私は1番大事だと思っているんですけど招待することそのものが相手の方へのギブになるということです。

安: 招待される側にとってのギブということですね。

大竹: そうですね。BNIに加入してもらうために招待するのではなくてこの人に必要な出会い、この出会いがあった方がいいだろうという風に思ってご招待をする。招待した方がたとえ入会しなかったとしてもその日に誰かと繋がって、これはもう立派なリファーラルだという風に思うんです。

大野: 招待は勧誘というのではなくて紹介だと。

大竹: そうですね。ここは自分の中で定まっているかどうかで声のかけやすさというのは全然違ってくるのではないかなと思います。

安: ここまでは私も結構納得できるなと思うんですが、ただこの理由が分かっていても実際には招待できない方がいるわけですよね。

大竹: そこなんです。招待できてない理由って実は全然違うんですよね。招待したい人が思い浮かばないのかもしれないし、招待の仕方がわからないのかもしれない。そして過去に招待をして断られてしまって、苦手意識を持っているのかもしれない。

安: 3つとも全く違いますよね。ただ、その1つ手前も気になりますね。なぜ招待できないんでしょうかね。

大竹: はい、そうですね。深掘りしていくと結構はっきりしていて、1人目の思い浮かばないというのは知り合いがいないわけじゃないんです。「BNIに入ってくれそうな人」を探しているから浮かばないんだと思います。入会してくれる人ではなくて一緒に仕事をしたい人でいいのに。

安: 探している対象がそもそも違うということですね。

大竹: そうですね。2人目の招待の仕方がわからないというのも、招待できないのではなくて、BNIを説明しようとするから難しくなってしまうんだという風に思います。仕組みを正しく説明しようとするとすごく長くなってしまって口が重たくなる。

安: 説明しようとするから招待ができないと。

大竹: そうですね。3つ目の断られたというのは1番根が深くて、断られた時に大抵売り込まれたと相手が受け取っているということです。だからその次にご招待するときもまた売り込む人になってしまうという気がして動けなくなってしまうと。

大野: 3つとも根っこは同じところにありますよね。招待っていうのを勧誘だと思ってしまっている。

大竹: まさにそこだと思います。例えば3名呼んでくださいというのが、3人に勧誘してきなさいという風に聞こえてしまう。それでは動けないですよね。

安: なるほど同じ言葉なのに受け取られ方がまるで違ってきますね。

大竹: だから必要な手当ても全部違うんです。1人目に必要なのはリストを一緒に作ること。2人目に必要なのは招待の仕方のその型を渡すこと。3人目に必要なのは断られてもあなたのせいではないという話を先にすることなんです。

安: この3人だと1番難しいのはどの方でしょうか?

大竹: 3人目の方だと思います。断られた記憶がある人にもっと招待してくださいと言うと多分もう一段動けなくなってしまう。

大野:正しいことを伝えるということと人が動くということは別ということですよね。

安: もう1つ伺いたいのですがプレジデントになると見えているものが変わるとも言われますよね。

大野: 変わりますよね。それまで気にならなかった例えば出席率とかビジターの数とかリファーラルの数、1to1、更新、メンバーの温度差というのが急に見えるようになってくる。ただ忘れてはいけないのは、プレジデントに見えている景色というのと、メンバーから見えている景色というのは違うということなんです。メンバーは自分のビジネスと自分のBNI活動を中心に見てますから。

大竹: 私すごい身に覚えがありまして、私は地元の久留里で観光のボランティアガイドをやってるんです。

安: 素敵ですね。

大竹: とても楽しくやってるんですけど最初の頃に大失敗をしまして、観光を案内する道も順番も全部頭には入っているんですけど、ついどんどん歩いてしまって前を向いて喋りながら案内しながら一通り説明をし終えた時に、じゃあ次に行きましょうという風に振り返ったら誰もいなかったんですよ。

安: え!?そうなんですか?

大竹: ある人はずっと後ろで路地の猫と戯れていたりとか、湧き水を汲んでいるおばあちゃんと話していたりとかして。私には全てのルートが見えていたんですけども、でも来てくださった方に見えていたのは目の前の猫だったりすると。私は正しい道を正しい順番で歩いていました。でも一緒に歩いてもらうことはできていなかった。

大野: プレジデントが振り返ったら誰もいなかったという状態は本当に起こりますよね。これ実は日本だけの話ではなくてBNIの創立者のマイズナーさんも全く同じことをブログに書かれているんです。「誰も聞いていないのなら正しさに意味がない」というタイトルのブログです。

安: かなり強い言い方ですね。

大野: 強いですよね。そしてマイズナーさんはこういう風にも書かれているんです。「人はあなたがどれだけ自分を気にかけてくれているかを知るまでは、あなたがどれだけのことを知っているかというのを気にしない」と。

安: BNIでもよくこの言葉出てきますけど。ではプレジデントはどうすればいいんでしょうか?

大野: 答えは意外とシンプルなんです。「やってください」と言う前に「どうですか?」と聞く。

安: 先に聞くということですね。

大野: はい。「最近BNIどうですか?」「何か困っていることはありませんか?」「今期BNIを通じてどんな成果を出したいですか?」「チャプターがこうなったらもっと活動しやすいと思うことはありますか?」この4つでいいと思います。

大竹: この4つ目が私すごくいいなと思っていて、メンバーをチャプターを作る側にお招きしているそういう質問なんじゃないかなと。文句を言ってもらう質問ではなくて一緒に作りませんかっていう招待の質問だと思います。

大野: 先に聞くとプレジデントには見えていなかったものが見えてきます。そしてメンバー側にもこの人は数字だけを見ているわけじゃないんだなという感覚が生まれるんです。そこで初めてプレジデントの言葉が入ってくる。

安: なるほど。ただちょっと正直なところを伺ってもいいでしょうか。リーダーシップチームの任期って6ヶ月ですよね。メンバーの話をじっくり聞いていたらそれだけで任期が終わってしまうのではないかと思うんですけど。

大野: おっしゃる通りです。4月と10月で交代しますから全員等しく時間をかけるというのは現実的ではないです。なので優先順位を考えて絞り込むことをお勧めしたいと思います。まず3人だけ決めてみる。1番温度が下がっていそうな方でもいいですし、次のリーダーになりそうな方でもいい。その3人の人と指示というのを1つもしない1to1をやる。

大竹: 全員を1度にと思うと結局誰ともできないんですよね。

安: これ逆のことも伺いたいんですがまず聞くを突き詰めていくと今度は言うべきことを言えない言わないプレジデントになってしまわないでしょうか。

大竹: それがもう1つの落とし穴だと思います。関係を壊したくないから耳の痛いことを言わない。これは優しさに見えますけれども、実際は自分が嫌われたくないだけということが少なくないんです。相手を成長できる人だと信じていない、相手の可能性を信じていないということでもあります。

安: では聞くというのは?

大竹: 言わないということではないんです。順番の話だと思います。先に聞いて後で言う。中身は変えなくていいんです。

大野: それと伝えるときも中身にも1つ大事なことがあると思っていて、自分の目標っていうのではなくて私たちの目標にするっていうことなんですよね。

安: と言うと?

大野: プレジデントになるとつい今期は50名にしたいとか、更新率をこれだけ上げたいという風に考えます。目標を持つということはそれ自体はすごく大切なんですけども、ただそれがプレジデントの目標のままだとメンバーはなかなか動いてくれない。先ほどなぜビジターを招待するのかという話をしましたけど、あれをメンバーと共有できていればこれ私たちの目標になりますし、共有しないまま数字だけ伝えればこれはプレジデントの目標のままなのかと思うんです。

大竹: 数字をやらなければならないことから自分たちのビジネスを成長させるための共通の目標に変えていくということですよね。まさに先ほどのヤギに草を見せるということとも通じるものがありますね。「行きなさい」ではなくて「あっちにこんな草があるようですよ」と。

安: なるほど。もう1つ責任感の強いプレジデントほど陥りやすいことがあると伺ったんですが。

大野: これは本当に多いんです。例えばメンバーが動かなければ自分が動く、ビジターが少なければ自分が動く、問題が起きれば自分が解決する。すごい立派なんですけどもそれをずっと続けているとプレジデントだけが頑張るチャプターになってしまう。

大竹: しかも短期的にはうまくいくのが厄介なところで数字は上がるんですよね、短期的に。そして自分でやった方が早いですし、任せると遅いし、思った通りにはならない。だから任せない理由は毎回ちゃんとあるわけです。

安: 確かに。

大竹: でもプレジデントの任期は永遠ではないですよね。

大野: ここが今日1番お伝えしたいところかもしれないんですけど。目指したいのは自分がいなければ動かないチャプターということではなくて、自分がいなくても動くチャプターなのではないでしょうか。そのためにはメンバーを動かすというのではなくメンバーが自ら動きたくなる状態を作る。問いかける、話を聞く、目的を共有する、それから役割を任せる、そしてできたところを承認する、そしてまた任せる。

大竹: 私冒頭に稲刈りの話をしましたけれども、田んぼって刈って終わりじゃないんです。刈った後に藁をすき込んだり土を起こしたりする。それは今年のためではなくて来年のための作業なんです。しかもやったかどうかというのはその年の収穫量には出ない。その次の年に結果が出るんです。

安: つまり次の人のための仕事ということですね。

大竹: プレジデントの半年も全く同じだという風に思っていて、任期の最後に問われるのは任期中の数字だけではないと思うんです。次のプレジデントにどんなチャプターを渡せたか。

大野: メンバーが自分たちで考えるチャプター。誰かが困っていたら自然に誰かが声をかけるチャプター。そして新しいリーダーが次々に生まれていくチャプター。そこまで作れたら残したものは任期中の数字というものよりもずっと大きいと思うんです。

安: では今週1つだけやるとしたら何から始めればいいでしょうか。

大野: 先ほどの3人です。今週の定例会が終わったらぜひ3人だけでいいので名前を決めてください。そしてその方たちとの1to1を通じて最初は指示というものを1つもしないと決める。「最近BNIどうですか?」から始めていただいて、その代わりその方が困っていることをその方が使った言葉のまま自分の口で言い直す。それができるかどうかというのを確認していただきたいと思います。

安: あえて相手の言葉のままということですね。

大野: はい、そうですね。自分の言葉に置き換えたくなっちゃうんですけれども、それが返せないうちはまだ聞けていないということなんです。

大竹: 私からは1つ数字を伝えるときは必ず「なぜ?」とセットにすること。ビジターを3名ご招待お願いします、その前に招待してくださった方があなたのビジネスにとってどういう意味を持つのかそれを先に話す。順番をひっくり返すということです。

安: 先に「なぜ?」ということで後から数字ということですね。それではそろそろ終わりの時間が近づいてまいりましたが、大野さんや大竹さんからメンバーの皆さんへメッセージはありますか?

大野: はい。BNIには仕組みがあって、規則とかポリシーというのがあったり、成功するための方法というのがあるわけです。それを正しく運営することというのはもちろん大切なんです。ただそれは前提であってゴールそのものではないんです。プレジデントの仕事というのは、正しいBNIをメンバーにやらせることというのではなくて、メンバー1人1人がこのチャプターで成功したいと思える状態を作るということ。そこまでがリーダーの仕事だと思います。

大竹: 私はプレジデントが後の人に送れるものは2つあるという風に思います。聞く時間と任せる勇気です。これはどちらも目に見えませんしその期の数字にはあまり出ません。出るのはその次、将来、未来です。ギバーズゲイン、与えるものは与えられると私たちは言いますけれども、与えるものというのは紹介とか情報だけではないと思うんです。相手の話を最後まで聞く時間も、自分の手柄になりそうな役割を誰かに渡すことも、これは全てギブだという風に思います。そしてそれを受け取ったメンバーがまた誰かに同じことをする。そうやって次のプレジデントが生まれてくるんだという風に思います。ヤギのリードは引かなくてもいい。どっちにおいしい草があるかを一緒に見に行けばいいということです。

安: はい。大野さん、大竹さんありがとうございます。今日のお話をまとめますと、まずプレジデントは上司ではないということ。メンバーは全員が社長であり経営者ですから、正論を強くぶつけるほどかえって反発が生まれる。先ほど大竹さんもおっしゃっていたヤギの綱、リードを引けば引くほど踏ん張るというお話が忘れられないですね。ビジターを招待するという理由も改めて整理していただきました。人数が増えると繋がりの数は掛け算で増える。業種の空きが生まればリファーラルが外に流れない。そして招待そのものが相手へのギブで、勧誘ではなく紹介なんだということです。ただその理由が分かっていても動けない方はいると。「ビジターを何名呼んでね」とか、そういう同じ言葉が呼びたい人が浮かばない方、誘い方が分からない、あと断られた記憶がある方この3人に全く違う届き方をしてしまうということ。正しいことを伝えることと人が動くことは別ということでした。だから「やってください」の前に「どうですか?」と聞くという話が大野さんからありました。ただし6ヶ月しかないので全員は難しい。まず3人に絞ろうということでした。そして聞くというのは言わないことではなくてあくまで順番の話、先に聞いた上で後で伝えるということですね。最後にプレジデントの仕事、役割は全部自分がやることではない。刈った後の田んぼを来年のために残しておく。その成果はその年ではなく次の年に出る。任期の最後に問われるのは次のプレジデントにどんなチャプターを渡せたかということでした。正しさは前提に過ぎません。メンバーとともに動くチャプターを作ること。それがプレジデントの役割なんだと思います。ということで改めて大野さん、大竹さん本日もありがとうございました。

大野: ありがとうございました。

大竹: ありがとうございました。

安: 最後までお聞きいただきありがとうございます。今回のお話はいかがでしたでしょうか。皆さんからのご意見やコメント本当に励みになります。よろしければInstagramやYouTubeで発信しておりますのので、公式サイトと合わせてぜひコメントを残していただけると嬉しいです。皆さんの声が次回のトピックや内容をより良くしていくための大切なヒントになるかもしれません。一緒にこのポッドキャストを成長させていければと思っています。それでは次回もオフィシャルBNIポッドキャストでお会いしましょう。See you next week !

第284回 【再配信】第202回 ストーリーで人々に影響を与える

 

【参照】英語版Episode 793: Influencing People with Stories

このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社とビジネスの自走化を支援するActionCOACHの提供でお送りいたします。

今回は、第202回の再配信です。

第202回は「ストーリーで影響を与えよう」と題してお送りいたします。英語版のエピソード 793 をご参照ください。

安:それでは、大野さん、こんにちは。

大野:こんにちは。

安:大竹さん、こんにちは。

大竹:こんにちは。

安:今日は大野さんはどちらからご参加ですか?

大野:今日はですね、 BNI ナショナルオフィスのある東京の三鷹に来てます。

安:なるほど。ありがとうございます。大竹さんはどちらからですか?

大竹:私は千葉県の君津市の山奥にある自宅から参加をしております。

安:ありがとうございます。

大竹:安さんはどちらからですか?

安:はい、私は今日は函館から参加をしております。さて、今回は「ストーリーで影響を与えよう」ということなんですけれども、大野さん。

大野:はい。

安:こちらの話をぜひしていきましょうか。

大野:そうですね。BNIの3+1の+1っていうのは、実はシェアストーリーという意味なんです。何かを伝える時にストーリーを使うことがとても効果的で、影響力を最大化することができるんですね。マイズナー博士も繰り返しストーリーを語ることが大事だと教えてくれています。素晴らしいストーリーというのはとてもパワフルですよね。例えば、感動を呼んだり、人々を笑顔にしたり、心に響くものがあります。大竹さんがよくシェアしているストーリーというのは何かありますか?

大竹:はい。そうですね。私がBNIのメンバーとして体験したストーリーなんですけれども。ちょうどメンバーとして 2年ぐらい経過した頃、なかなか自分が本当に受け取りたいリファーラルを受け取ることができなくて悩んでた時期だったんですよね。ちょうどそのモチベーションというか、そういうものが下がっていって、ちょっと体調を崩したのもあって、欠席をしてしまったんですね。その時に、ある年上の女性のメンバーが、電話をしてくださってですね、それにすごく勇気づけられたという経験があります。その電話でですね、私の欠席に対する理由を問うということではなくて、ちょっとその叱咤激励というか、「あんた何休んでんのよ、早く出てきなさい。」みたいな感じで、言われたんですよね。その時に、すごく嬉しかったんですよね。なんかこう、私は必要とされてるのかもしれないと。 2 年間やってきて、リファーラルも結構貢献をたくさんしていく中で、「なかなか返ってこない。」と、「自分は本当にここに必要とされてるんだろうか。」ということが、ちょっと自信がなくなっていた時期だったんですね。その一言、単純な一言なんですけど、その電話によって、私はモチベーションを回復することができて、その後半年後ぐらいですかね。実際にその自分にとって、理想的なリファーラルに出会うことができたということなんですね。その方のおかげだったなというふうに思っています。

大野:わかりやすくて、しかもね、似たような状況の方々がおそらく結構いらっしゃると思うので、インパクトありそうですよね。

大竹:はい。

大野:素晴らしいです。ありがとうございます。

安:ちなみに大野さんはどのようなエピソードをお持ちですか?

大野:そうですね。私の場合、ある個人的に関わっていたチャプター担当ディレクターを持ってた時なんで、随分前なんですけども。名古屋のあるチャプターなんですね。発足してからちょうど 1年、最初の更新を迎えてまとまって、 5、6人抜けてしまったんですかね。たしか更新されなくて。人数が 17人ぐらいになってたと思うんですよ。ちょっと心配はしたんですけども、メンバー数が減った時のメンバーの皆さんの様子を見ていると、なんかワクワクしてるんですよね。メンバー数減ってるのに、焦りとかそういうのが全然なくて、むしろ目を輝かせていて、これならいけるみたいな雰囲気だったんですよ。それから彼ら僕は別に何か言ったわけではないんですけども、自主的に皆さん、有志がミーティングの後集まって、「これからチャプターを盛り上げていくにはどうしたらいいか。」っていうことを毎週毎週、定例会の後に話し合ってたんですよ。その様子を見て、何て言うかな、すごく頼もしかったし、これなら全然心配ないなと思って、様子を見てたんですね。その結果というか、その後間もなくですね、 1年もしないうちにその 17人とかっていう人数から、今のチャプタートラフィックライトってあるじゃないですか。全国のチャプターのパフォーマンスが見られるチャプタートラフィックライトで 1位になったんですよね。 1年経たずして。それだけでもすごいと思ったんですけど。その後、プラチナチャプター 50人以上のプラチナだったり、チタニウム 75人、そして 100人超えてダイヤモンドまでいったんですよ。

安:すごい。

大野:それも、そんなに時間かかってなかったと思うんですね。最近でこそ、少し 100人割って、 70人台後半だったかな。でも皆さんやっぱり 100人台を回復させたいっていうことで、すごく思ってらっしゃるようで、そこもやっぱり頼もしいですよね。だから私個人的にはすごく、彼らのその当時の、「自分たちのチャプターをもっと元気にしたい」、「活性化させたい」という思いを共通の思いを持ってやられて、その結果として、そういった日本を代表するようなチャプターにされたっていうのは、すごい個人的には誇りに僕は思っていて、よくそのチャプターの話をいろんなところでさせていただくんですけど。やっぱり自信をなくしてしまうとか、チャプターとして、あるいは「盛り上がってないからどうしようか」って頭を悩ませてるリーダーシップチームの皆さんも、この時期結構いらっしゃると思うんですけど。でもそういう人たち、そういうリーダーシップチームの人たちとか、メンバーの皆さんにこういった話をシェアさせていただくと、なんか自分たちもやっぱりできそうだって思っていただく機会があると思うんですよね。そういうストーリーを伝える、似たような状況の人たちの話とかって、共感をしやすいと思うので、効果的なんじゃないかなと思うんですよね。

安:確かにそうですね。

大野:あと、このストーリーの有効な場面として。例えば、会社のビジョンとか組織のビジョンっていうのは、ストーリーを使って伝えるっていうことはすごくやっぱり有効だし、やるべきだなと思うんですけど。大竹さん、その辺どういうふうに普段意識されていますか?もし差し支えなければ、大竹さんの今仕事されている、あるいは BNI をされている理由とか、 WHY とかってありますか?

大竹:はい。私たちの東京港中央リージョンのビジョンが、人生を変えるリファーラルをすべての人に。というビジョンなんですけれども。最初にそれを立てた時に、そのフレーズだけを一生懸命繰り返していて、全く伝わらなかったんですよね。「へー。」って感じで、「まあいい言葉だね。」、みたいな感じでいて、全く浸透しなかったんですよね。結局やっぱり、そのビジョンの裏にあるストーリーが必要なんだということに気づいて、じゃあなぜ私がそのビジョンを立てるに至ったのか、っていう自分のストーリーを語るようにしたんですよね。そしたらですね、みなさんそのビジョンに紐づくようなストーリーをどんどん語ってくれるようになってですね。例えばある時は、あるチャプターのビジターホストの方が、「人生を変えるリファーラルをすべての人に、というビジョンがこのリージョンにはあって。それに関して私のストーリーはこういうものです。」っていう風に話をしてくれたということがあったんですよね。やっぱりこのストーリーがどんどん積み重なっていくと、ビジョンが強くなっていくというか、育っていくっていうこと、ビジョンって生き物なんだなっていう風に感じたんですよね。その生き物としての栄養がストーリーなのかなっていう風に感じたことでした。

大野:いいですよね。私も、もし差し付けなければシェアさせてもらおうと思うんですけど。大竹さんと同じようにビジョンって、ややもするとちょっと綺麗事みたいにどうしても聞こえやすいと思うんですよね。でもやっぱり、なぜ自分がそれを目指すのか、みたいなところでいうと。私の叔父の話なんですけど。 僕が社会人になって間もない頃に、僕の叔父からですね、「うちの養子になってくれ」って言われたんですよね。大野の本家の叔父だったので、養子になって、要は「事業を継いでほしい」みたいな、「助けてほしい」みたいなことを言われたんですよ。でも叔父はその当時、小さなスーパーマーケットを千葉県でやってたんですけども。大型商業施設が近くにできて、お客さんを取られてしまって、経営がたぶん傾いてたんだと思うんですね。私は当時全然興味がなく、ちょっと上の空だったんですよ。それをすごく僕は、後々後悔することになったんですけど。結局叔父はその店を畳まなくちゃいけなくなって、もう大分前に亡くなってるんですけど。今でもそのことがすごく悔いとして残ってしまっていて、結局この自分が BNI っていうものを、実際に自分でやって素晴らしい仕組みだなと思って日本に紹介したんですけど。続けて今18年やってこれてるっていうのは、その時の後悔がすごくあって。やっぱり、「叔父みたいな人を、日本からなくさなくちゃいけない」、「叔父みたいな人を日本からなくしたい」、「そんな思いをさせたくない」っていうのがあって。だからこそ、「BNIの仕組みを日本全国に 1 日も早く伝えたい」っていうふうに思うんですよね。だからいつか全国に広まるじゃダメなんですよ。だから今でもきっと待ってる人がいる。 BNI を使える日を待っている人がいる。もしかしたら、知ってる人も知らない人も両方いるかもしれないんですけど。でもそのBNIを必要としている人たちの元に、このBNIのBNI仕組みを 1 日も早く届けるっていうスピード感がすごく大事で、それが、日本で目標数字として掲げて、それを達成していくっていうことをスピード感を持ってやっていくっていうのが、自分のすごくやりたいっていうか、責任、役割なんだなという風に思ってるって話をさせてもらうんですよね。

大竹:すごい良いですね。うん。

安:かなり今、心を動かされましたよ。すごい、なんか初めて聞いたと思って。ただ単に「広めていきましょう」っていう話ではなくて。どうしてその広めていくことが大事なのかっていう、本当に大野さんの心の一番内側にあるきっかけを。

大野:結局今の僕の話って、自分のことじゃないですか。個人的な話じゃないですか。だからもしかしたら全然、大竹さんとか安さんには関係ないことなのかもしれないんだけども。でもその、「なぜ大野っていう個人が BNI を日本に紹介して、それを 18年、もう 20年近くも続けてきてるか」っていう理由が自分もなんか最近気づいた部分ってあるんですよね、すごく。でもそれは当時の後悔っていうところから始まってるんですけど。でも今逆にそれが原動力になってるっていう部分があって、時々それを思い返してね、元気をもらってるっていう状況です。

安:素敵。

大野:はい、ありがとうございます。

安:大野さん、大竹さん、本日も素敵なお話をありがとうございました。

大野:ありがとうございました。

大竹:ありがとうございました。

安:最後までお聞きいただきありがとうございます。今回のお話はいかがでしたか?皆さんからのご意見やコメント、本当に励みになります。よろしければインスタグラムや Youtube でも発信しておりますので、公式サイトと合わせてぜひコメントを残していただけると嬉しいです。皆さんの声が次回のトピックや内容をより良くしていくための大切なヒントになるかもしれません。一緒にこのポッドキャストを成長させていけたらと思っています。それでは次回も オフィシャル BNI ポッドキャストでお会いしましょう。 See you next week.

第283回 BNIの『北極星』

このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社とビジネスの自走化を支援するActionCOACHの提供でお送りいたします。

【参照】第119回 BNIのビジョンとミッション(再)
第119回 BNIのビジョンとミッション(再)

第283回は「BNIの『北極星』」と題してお送りいたします。日本語版の第119回をご参照ください。

安: それでは大竹さん、本日もよろしくお願いいたします。

大竹: よろしくお願いします。

安: 大竹さん今千葉県の君津にいらっしゃるということですけれども、この時期の夜ってどんな感じなんですか?

大竹: そうですね、もう9月に入ると涼しい日も増えてきて、夜の風が少しだけ涼しくなってくるんですね。うちのあたりは街灯がほとんどないので、外に出ると星がよく見えます。

安: なるほど、北極星も見えますか?

大竹: はい、見えますね。北極星っていうのは他の星が夜の間に少しずつ動いていく中で、ほとんど同じ場所から動かない星だと思うんですね。だから昔の人はこの星を頼りに海を渡ったり山を歩いたりしたんだと思います。

安: 確かにそうですよね。前回もまさにその北極星のお話でしたよね。北極星で庭を作ろうというところだったんですけども。

大竹: はい。前回は自分たちのチャプターがどんな庭を目指すのか、その方向を決めましょうという話でした。今日はそこから一段引いて、BNIという組織そのものの北極星は何なのかということを扱っていきたいと思います。

安: それが今回のテーマ「BNIの北極星」ですね。今日はどんな方に向けたお話になりますでしょうか。

大竹: はい。BNIのビジョン、ミッションを言葉としては知っている、トレーニングでも聞いたし暗唱もできると、だけど毎週自分がやっているビジターさんの招待とかリファーラルと、その言葉がどう繋がっているのか、正直考えたことはない、そういう方に向けてお話をしたいなと思っています。

安: そういう方って入会して1年ぐらい経って活動が慣れてきて、少し作業のようになってきた頃かもしれないですよね。まずBNIのビジョンとミッションを改めて確認していきましょうか。

大竹: はい。ポッドキャストの第119回で大野さんがBNIのビジョンとミッションというテーマでお話しされています。そこで大野さんはビジョンというのは組織として将来ありたい状態や姿だとおっしゃっていました。完璧に達成できるかどうかはわからない大きな志、まさに北極星のように目指す方向を示すものだと。

安: 北極星という言葉はマイズナーさんも使われていましたよね。

大竹: そうでしたね。そしてミッションはそのビジョンを果たすために今何を具体的にするのか、何をするのか、誰のためにするのか、どうやってするか、この3つの質問でできているということでした。BNIのビジョンはChanging the Way the World Does Business、世界のビジネスのやり方を変える。ミッションはメンバーがビジネスを増やすのを助けること、そしてリファーラルマーケティングプログラムを通じて、質の高い各分野のプロと長期的で有益な関係を築く機会を提供すると続いています。理念がギバーズゲインということですね。

安: はい。ただちょっと正直に申し上げますと、世界のビジネスのやり方を変えるって言われても、ちょっとスケールが大きすぎて、自分の毎週の活動とどう繋がるのか、ピンとこないという方も多いと思うんですよね。

大竹: よくわかります。私も以前は立派な言葉だなというくらいにしか思っていませんでした。でもある時からこのビジョンの中で1番大事なのは変えるという言葉なんじゃないかなと思うようになりました。

安: 「変える」ですか?

大竹: はい。変えると言っているということは、裏を返せば今のやり方には課題があるという風に思っているということなんじゃないかなと思うんですね。ビジョンというのは実は結構クリティカルというか批判的なところから生まれているものなんじゃないかなと思っています。今のやり方は嫌だとか、このままではいけないという思いが入っているんじゃないかなという風に思います。ピーター・ティールという投資家を皆さんご存知でしょうか。PayPalを創業して、FacebookやAirbnbにも初期に出資した人なんですけれども、この方が使う伝説の質問と呼ばれているものがあります。

安: どんな質問なんですか?

大竹: 世界の課題のうち大多数の人はまだ認めていないけれども、あなたにとって重要な課題は何かという質問です。

安: まだ多くの人が問題だと思っていない問題ということですね。

大竹: そうですね。分かりやすく言うと、SDGsの18番目はあなたにとって何ですかみたいな質問だと思います。17個はみんな認識をしているんだけれども、それ以外であなたが大事だと思っているものって何なのということですね。ビジョンというのはきれいな言葉を選ぶ作業ではなくて、このピーター・ティールさんの質問に自分なりに答えることなのだという風に思います。そして面白いのは何と戦うのかをはっきりしている組織ほど、強いエネルギーを持つということだと思います。

安: 戦う相手とはライバルということですか?

大竹: そうですね。例えば電気自動車の会社であれば、ライバルは他の自動車メーカーではなくて、化石燃料に依存する社会そのものだったりします。例えば宿泊サービスであれば、自分の居場所だと感じられる場所が狭い世界がライバルであって、全ての人がどこにいても居場所があると感じられる世界を目指していこうということですね。

安: なるほど。商品の直接的な競争相手ということではなくて、社会の在り方が相手ということですね。

大竹: そうなんですよね。ライバルを目の前の同業他社とかに設定してしまうと小さくなってしまう。そうではなくて変えたい世界の方に設定をすると、そこに向かうエネルギーが大きくなるということなんですね。私はドラゴンボール世代なんですけど、ドラゴンボールで孫悟空が強い相手を見ると俺ワクワクするぞって言いますよね。適切なライバルを設定することによって、大きなエネルギーが生まれるということです。

安: なるほど。今のはちょっとツッコンでいいのかわからなかったんですけれども、ではBNIのライバルとは何ですか?

大竹: ビジョンにそのまま書いてあるんですけど、今のビジネスのやり方だと思います。もう少し具体的にすると、私はこういうことだと思っているんですが、例えば自分さえ良ければいいというエゴがぶつかり合うようなビジネスのやり方だったりとか、自分の事業を拡大するために自分の大切な人の人生を犠牲にしてしまうようなビジネスのやり方だったりとか、経営者から孤独な人が生まれてしまうようなビジネスのやり方だったりとか、周りの人に一生懸命貢献した人が報われないようなビジネスのやり方だったりとか、子どもが早く大人になりたいという風に思えないようなビジネスのやり方、そして最後に、人生を変えるような出会いが偶然に委ねられてしまっている、そんなビジネスのやり方。それが私にとってのこのビジネスのやり方を変えるということなんじゃないかなと思っています。

安: なるほど。今みたいにお話ししていただくと、結構身に覚えのあるものも多いなと思ったんですよね。

大竹: そうですね。私自身もまたまさにその中にいたんですけれども、ビジネスの場で行われる数字の競争によって、たくさんの人が「I am not.」ですね、つまり私が私でない状態になってしまっていると思います。誰もが自分の正気を保つことで精一杯で周りの人を気にかける余裕がなくなっていく状態、私はそういう場面もいくつも見てきましたし、自分もその中にいました。

安: 大竹さんはその後ご自身で事業を始められているじゃないですか。環境が変われば、そこから自由になれたんですか?

大竹: それがそうでもなかったんですよね。独立したばかりの頃は人と会うときに無意識に計算をしていました。この人と会って自分に何かメリットはあるだろうか、自分の損得だけを物差しにして、人との繋がりの価値を打算的に決めていました。

安: ということは大竹さんご自身もそのやり方の側にいらっしゃったということですね。

大竹: そうですね。今日のお話はどこかの誰かが悪いという話では全くないです。私も含めてみんながそのやり方の中で生きてきたということだと思います。

安: ここでちょっと1つ、私から素朴な疑問をお聞きしてもいいでしょうか。今は例えばGoogleとか、Amazonとか、あとはAIとかで検索すると、大抵のものやサービスって見つかりますよね。私たちはなぜわざわざリファーラルという手間のかかるやり方で届けているんでしょうか。

大竹: はい。とても大事な問いだという風に思います。実際、ビジネスで効率だけを求めるのであれば、リファーラルは必要ないという意見もあるんじゃないかなという風に思うんですね。検索した方が手っ取り早いということですね。ただ私は、スマートフォンでSNSの広告が出てきて、ため息をつくことがあります。出てくる広告は大体、薄毛治療とマッチングアプリばかりなんですよね。

安: なるほど。ちょっと何とも言えない気持ちになりますね。

大竹: 実際ちょっと嫌な気持ちになりますね。でも寂しい気持ちにもなるんです。広告の元になるデータはどんどん蓄積されていっていて狙った人に、より的確に届くようにパーソナライズされています。技術としてはすごいことだなと思います。でもどこまでいっても、それは私のためを思って提案されたものではありません。私が今どんな気持ちで生きているのか、過去にどんな挫折があって、これからどんな希望を持っているのか、どんな目標があるのか、そこを気にかけてくれているわけではないんです。

安: 精度は高いんだけど、気にかけてもらえているという感じではないということですね。

大竹: そうですね。でもリファーラルは違います。私のことを理解してくれている人が、私のことを気にかけてくれて届けてくれたものです。そこには感情的な繋がりがあって温もりがあります。マイズナー博士はBNIのことをビジネスに感情を吹き込んだ組織だと言っています。私はこれを目に見える成果や効率ばかりを追い求めるビジネスのやり方から、目に見えないお互いの感情や関係性を大切にするビジネスのやり方にしていこうという意味だと理解をしています。

安: 確かに大事ですよね。では世界のビジネスのやり方を変えるというのは、具体的にはどんな世界に変えるということなんでしょうか?

大竹: 先ほどのドラゴンボールに例えてみると、例えばかめはめ波という技があるんですけど、これは自分の力を貯めて自分1人で打つ技ですよね。だからより大きなかめはめ波を打てる人が勝利するということですね。今のビジネスのやり方はこれに近いんじゃないかなと思います。自分の力をどこまで大きくできるか、どれだけ鋭く打つことができるか、その大きさを競い合っている。それに対して元気玉という技があります。元気玉は自分の力だけでは足りないので、周りの人たちから少しずつ元気を分けてもらって、それを1つに集めて放つ技なんですね。1人では絶対に作れないものです。私はこの世界のビジネスのやり方を変えるというのは、かめはめ波の大きさを競い合う世界から、元気玉を送り合う世界に変えるということだと思っています。

安: なるほど。すごく分かりやすい例ですね。個人的にかめはめ波も何か来るかなと思ったんですけども。真似がね。ということで、分けてもらうっていうところではなくて、送り合うっていうことが大事ってことですね。

大竹: そうですね。そこが大事なところだと思います。もらうだけでは元気玉にはならないと思います。自分の周りの人を気にかけて行動する、そうすると、そこに感謝が生まれますよね。その感謝を受け取った人がまた別の誰かのために行動する、感謝を恩送りしていくということです。

安: それでも1人分の元気では小さくなっちゃいますよね。

大竹: そうですよね。だから私たちはこのチャプターとかリージョンっていうそういった単位で、より多くの人から少しずつ元気を集めようとしているという風に思います。

安: なるほど。ここまで伺って、私自身もすごく腑に落ちたというか、納得があったんですけど、一方で正直な疑問も残っています。それは世界のビジネスのやり方を変えるっていうのはやっぱりちょっと大きすぎて、例えば明日の朝自分が何をすればいいかが変わるっていうと、そこまではないような気もしてるんですよね。

大竹: そうですね、おっしゃる通りだと思います。ここは正直にお話した方がいいところだと思うんですけども、前回もう話に出ましたけれども、ビジョンというのは解像度を上げるとなかなか賛同できない人も出てきますし、ふわっとさせすぎてしまうと誰も強い関心を持たない諸刃の剣だと思います。世界のビジネスのやり方を変えるという言葉は、そんなに反対する人はいないのかなと思うんですけれども、そのままでは月曜日の朝の行動は何も変わらないということですよね。

安: 反対されないけど行動も変わらないと

大竹: だからこの大きな北極星を自分の言葉に翻訳する必要があるんだという風に思います。毎週のリファーラルの1件1件や、ビジターさんへのお声掛け1つ1つというのは、正直に言えばとても地味な作業のように見えるかもしれません。それで世界が変わるとはなかなか思えない。でもなぜ自分はこの1つ1つの行動をしているのか、その先にある何を変えようとしているのか、それを知っているかどうかで、同じ行動の意味がまるで変わってくると思うんですね。

安: 戦う理由を知っているかどうかなんですよね。

大竹: そう思います。それからもう1つだけ。うまくいき始めた時ほど、これは自分の力で成し遂げたことだと思いたくなるものなんですけれども、私はその感謝と謙虚さというものが、私たちの理念であるギバーズゲインを支えている土台だという風に思っています。元気玉は分けてもらっていることを忘れた瞬間に集まらなくなってしまうと思います。

安: なるほど。ありがとうございます。それでは聞いてくださっている皆さんが明日から何か1つ始めるとしたら、どこからがいいでしょうか?

大竹: はい。2つお伝えしたいと思います。1つ目は自分にとってのライバルって誰なんだろうかということです。BNIのライバルは今のビジネスのやり方でした。では自分の事業にとってのライバルは何なのか、競合他社の名前ではなくて、変えたい世界の方を書き出してみていただきたいと思います。その上で自分の5年後、自分のビジョンが実現した時、私たちのビジネスのやり方はどう変わっているだろうかと問いかけてみると、

安: それはチャプターの皆さんと一緒に考えてもいい問いですね。

大竹: そうですね。1to1の時にお互いに聞き合ってみてもいいと思います。その方がお互いが本当に大事にしていることが見えてくるんじゃないかなと思います。そして2つ目はいつも通りのことなんですけれども、毎週ギバーズゲインを実践する、関わる人のためにリファーラルを届ける、ビジターの方をお招きするということです。

安: 先ほどの地味な1件というやつですね。

大竹: はい。ただ今日からは元気玉を1粒送る行為だと思ってやっていただけたらと思うんですね。地味ですけれども、それがとても大切なことだという風に思います。

安: はい。ありがとうございます。それでは、そろそろ終わりの時間が近づいてまいりましたが、大竹さんからメンバーの皆さんへメッセージはありますか?

大竹: はい。以前子どもたちに早く大人になりたいですかと聞いた調査を見たことがあります。なりたいと答えた子は半分ほどでした。しかしその理由として多かったのはスマホを自由に使えるからだったんですね。

安: 大人になりたい理由がスマホだったんですね。

大竹: そうですね。私はこれを知った時に少し寂しい気持ちになったんですね。子どもたちから見て大人が働いている姿は、あまり魅力的に映っていないのかもしれないなという風に思いました。でもこれは裏を返せば私たちの手の中にあることだと思います。私たちがビジネスの場で奪い合いではなく助け合いをする、その姿を子供たちが見て早く大人になって自分も誰かの役に立ちたいと思える、そういう社会に変えていくことはできるはずなんだと思います。そしてもう1つ。人生を変えるような出会いが今は偶然に委ねられています。たまたま隣の席に座った人、たまたま紹介された人、それで人生が変わることがある。私はその偶然を意図して作れるようにしていきたいと思っています。必然に変えていきたいという風に思っています。人生を変えるリファーラルを全ての人に、これが私にとっての北極星です。BNIの北極星は世界のビジネスのやり方を変える。そこに向かうための道具がリファーラルマーケティングという仕組みで、その土台にあるのがギバーズゲインという理念です。毎週の1件1件は本当に小さな1粒かもしれません。でもその1粒が集まった時にしか、元気玉は放てないんだという風に思います。

安: はい。大竹さん素敵なお話、とても大事なお話をありがとうございました。今日のお話を伺って、私は変えるという言葉の重さを改めて感じました。BNIのビジョンというのはきれいな標語に聞こえるけど、そういうことではなくて、今のビジネスのやり方はこのままじゃいけないんだという、はっきりとした意思表示だという風にも置き換えられますね。改めまして、ありがとうございました。

大竹: ありがとうございました。

安: 最後までお聞きいただきありがとうございます。今回のお話はいかがでしたでしょうか?皆さんからのご意見やコメント本当に励みになります。よろしければInstagramやYouTubeで発信しておりますので、公式サイトと合わせて是非コメントを残していただけると嬉しいです。皆さんの声が次回のトピックや内容をより良くしていくための大切なヒントになるかもしれません。一緒にこのポッドキャストを成長させていければと思っています。それでは次回もオフィシャルBNIポッドキャストでお会いしましょう。See you next week!