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このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社とビジネスの自走化を支援するActionCOACHの提供でお送りいたします。

第285回は「正しさだけではチャプターは動かない」と題してお送りいたします。
安: それでは大野さん、大竹さん本日もよろしくお願いします。
大野: よろしくお願いします。
大竹: お願いします。
安: 9月に入りましたけれども大竹さん君津の方はいかがですか?
大竹: はい、稲刈りがだいたい終わりまして、刈った後の田んぼが茶色く広がっているような景色になっています。朝と夜だけ風はちょっと涼しくなってきました。
安: なるほど季節が変わっていく感じですね。大竹さんのお家は犬、猫あとヤギもいるんでしたよね。
大竹: はい、そうですね。ヤギに毎日教わっていることがありまして、ヤギってリードを引っ張ってもなかなか動かないんです。こっちだよって引けば引くほど四つ足で踏ん張ってしまうんです。力がすごく強いので正面から引っ張って勝とうとしてもこっちが負けちゃうんです。
安: なるほど、大人が引いてもですか。
大竹: 負けますね。どうしたら動くかっていうと行った先に美味しそうな草があるとヤギが思った時なんです。そうするとこちらが何も言わなくても勝手にどんどん歩いていく。むしろ止まらないという風になります。
大野: なんか人間と同じですね。
安: そうですね、まさに今日はそのお話です。今回のテーマは「正しさだけではチャプターは動かない」ということで大野さん今日はどんな方に向けた回になりますか?
大野: はい、今プレジデントをされている方とかそして次にプレジデントを任されそうな方、それからリーダーシップチームに入られた方、この3つの立場を皆さんに向けてお話ししたいと思っています。今日のテーマは頑張っているのに動いてもらえないという、あの感じについてです。
安: と言いますと。
大野: プレジデントになるともっとリファーラルを出してほしいとか、1to1もっとやってほしいとか、ビジターを呼んでほしい、BNIの仕組みを正しく使ってほしいという風に言いたくなると思うんですけど、どれも間違ってないんです。真剣な方真面目な方ほどこういうのがやっぱりはっきりプレジデントとして見えてくるんです。
大竹: ところが動いてもらえないと。
大野: そうなんですよね。言っていることは間違っていないはずなのになんで伝わらないんだろうって言っている人をよく見かけますよね。
安: なぜ伝わらないんでしょうかね。正しいことなのに。
大野: 1つ前提として押さえておかなくちゃいけないのが、プレジデントって上司ではないということなんです。会社なら上司には権限っていうのがあって、でもBNIは違うじゃないですか。メンバーはやっぱり全員自分のビジネスを持つ経営者だったり事業者なんです。だからプレジデントだから聞いてくださいっていう姿勢ではやっぱり人は動かないし、それどころか正論を強くぶつけるほど、なんでそこまで言われなければならないのっていう反発が生まれることが増えちゃうんです。
大竹: さっきのヤギと全く同じですね。リードを引っ張れば引っ張るほど動かないと。しかも役職というのがある分自分が引っ張っているってことに気づきにくいのかもしれませんね。
安: 具体的にはどういう伝え方が引っ張っているという状態になるんでしょうか。
大野: わかりやすい例を1つ言うとすると、ビジターの招待が少ないメンバーに対して今期のチャプターの目標を達成するために1人で3名を招待してくださいというのを伝えるとするじゃないですか。
安: はい。それはチャプターの目標から考えれば正しいですよね。
大野: はい、正しいんです。でもその方がなぜ招待できないのかというのを知らないとか、あるいはなぜ招待するべきなのかというのを伝えないまま言ったらどうなるか。
安: じゃあそのお話でちょっと1個基本に戻らせていただきますとそもそもなぜビジターを招待する必要があるんでしょうか。ここが自分の中で腑に落ちてないと言われた方も動けない気がするんです。
大野: 大切なところですね。大きく3つあると思っています。1つ目は単純に数の話です。チャプターの人数が増えると繋がりの数っていうのは足し算じゃなく掛け算で増えていきます。
安: 掛け算。
大野: はい。例えば10人のチャプターなら1対1の組み合わせリレーションシップ45通りあるわけですけど、それが20人になると190通りになる。人数は2倍ですけど関係の数というのは4倍以上になるんです。
安: 倍では済まないですね。
大野: 済まないですね。2つ目は業種の空きが埋まっていくということです。自分のお客様が困った時に、チャプターの中に紹介できる信頼できる仲間がいる。空いている業種とか専門分野が多いほどせっかくのリファーラルが外に出ていってしまうんです。
大竹: そして3つ目が私は1番大事だと思っているんですけど招待することそのものが相手の方へのギブになるということです。
安: 招待される側にとってのギブということですね。
大竹: そうですね。BNIに加入してもらうために招待するのではなくてこの人に必要な出会い、この出会いがあった方がいいだろうという風に思ってご招待をする。招待した方がたとえ入会しなかったとしてもその日に誰かと繋がって、これはもう立派なリファーラルだという風に思うんです。
大野: 招待は勧誘というのではなくて紹介だと。
大竹: そうですね。ここは自分の中で定まっているかどうかで声のかけやすさというのは全然違ってくるのではないかなと思います。
安: ここまでは私も結構納得できるなと思うんですが、ただこの理由が分かっていても実際には招待できない方がいるわけですよね。
大竹: そこなんです。招待できてない理由って実は全然違うんですよね。招待したい人が思い浮かばないのかもしれないし、招待の仕方がわからないのかもしれない。そして過去に招待をして断られてしまって、苦手意識を持っているのかもしれない。
安: 3つとも全く違いますよね。ただ、その1つ手前も気になりますね。なぜ招待できないんでしょうかね。
大竹: はい、そうですね。深掘りしていくと結構はっきりしていて、1人目の思い浮かばないというのは知り合いがいないわけじゃないんです。「BNIに入ってくれそうな人」を探しているから浮かばないんだと思います。入会してくれる人ではなくて一緒に仕事をしたい人でいいのに。
安: 探している対象がそもそも違うということですね。
大竹: そうですね。2人目の招待の仕方がわからないというのも、招待できないのではなくて、BNIを説明しようとするから難しくなってしまうんだという風に思います。仕組みを正しく説明しようとするとすごく長くなってしまって口が重たくなる。
安: 説明しようとするから招待ができないと。
大竹: そうですね。3つ目の断られたというのは1番根が深くて、断られた時に大抵売り込まれたと相手が受け取っているということです。だからその次にご招待するときもまた売り込む人になってしまうという気がして動けなくなってしまうと。
大野: 3つとも根っこは同じところにありますよね。招待っていうのを勧誘だと思ってしまっている。
大竹: まさにそこだと思います。例えば3名呼んでくださいというのが、3人に勧誘してきなさいという風に聞こえてしまう。それでは動けないですよね。
安: なるほど同じ言葉なのに受け取られ方がまるで違ってきますね。
大竹: だから必要な手当ても全部違うんです。1人目に必要なのはリストを一緒に作ること。2人目に必要なのは招待の仕方のその型を渡すこと。3人目に必要なのは断られてもあなたのせいではないという話を先にすることなんです。
安: この3人だと1番難しいのはどの方でしょうか?
大竹: 3人目の方だと思います。断られた記憶がある人にもっと招待してくださいと言うと多分もう一段動けなくなってしまう。
大野:正しいことを伝えるということと人が動くということは別ということですよね。
安: もう1つ伺いたいのですがプレジデントになると見えているものが変わるとも言われますよね。
大野: 変わりますよね。それまで気にならなかった例えば出席率とかビジターの数とかリファーラルの数、1to1、更新、メンバーの温度差というのが急に見えるようになってくる。ただ忘れてはいけないのは、プレジデントに見えている景色というのと、メンバーから見えている景色というのは違うということなんです。メンバーは自分のビジネスと自分のBNI活動を中心に見てますから。
大竹: 私すごい身に覚えがありまして、私は地元の久留里で観光のボランティアガイドをやってるんです。
安: 素敵ですね。
大竹: とても楽しくやってるんですけど最初の頃に大失敗をしまして、観光を案内する道も順番も全部頭には入っているんですけど、ついどんどん歩いてしまって前を向いて喋りながら案内しながら一通り説明をし終えた時に、じゃあ次に行きましょうという風に振り返ったら誰もいなかったんですよ。
安: え!?そうなんですか?
大竹: ある人はずっと後ろで路地の猫と戯れていたりとか、湧き水を汲んでいるおばあちゃんと話していたりとかして。私には全てのルートが見えていたんですけども、でも来てくださった方に見えていたのは目の前の猫だったりすると。私は正しい道を正しい順番で歩いていました。でも一緒に歩いてもらうことはできていなかった。
大野: プレジデントが振り返ったら誰もいなかったという状態は本当に起こりますよね。これ実は日本だけの話ではなくてBNIの創立者のマイズナーさんも全く同じことをブログに書かれているんです。「誰も聞いていないのなら正しさに意味がない」というタイトルのブログです。
安: かなり強い言い方ですね。
大野: 強いですよね。そしてマイズナーさんはこういう風にも書かれているんです。「人はあなたがどれだけ自分を気にかけてくれているかを知るまでは、あなたがどれだけのことを知っているかというのを気にしない」と。
安: BNIでもよくこの言葉出てきますけど。ではプレジデントはどうすればいいんでしょうか?
大野: 答えは意外とシンプルなんです。「やってください」と言う前に「どうですか?」と聞く。
安: 先に聞くということですね。
大野: はい。「最近BNIどうですか?」「何か困っていることはありませんか?」「今期BNIを通じてどんな成果を出したいですか?」「チャプターがこうなったらもっと活動しやすいと思うことはありますか?」この4つでいいと思います。
大竹: この4つ目が私すごくいいなと思っていて、メンバーをチャプターを作る側にお招きしているそういう質問なんじゃないかなと。文句を言ってもらう質問ではなくて一緒に作りませんかっていう招待の質問だと思います。
大野: 先に聞くとプレジデントには見えていなかったものが見えてきます。そしてメンバー側にもこの人は数字だけを見ているわけじゃないんだなという感覚が生まれるんです。そこで初めてプレジデントの言葉が入ってくる。
安: なるほど。ただちょっと正直なところを伺ってもいいでしょうか。リーダーシップチームの任期って6ヶ月ですよね。メンバーの話をじっくり聞いていたらそれだけで任期が終わってしまうのではないかと思うんですけど。
大野: おっしゃる通りです。4月と10月で交代しますから全員等しく時間をかけるというのは現実的ではないです。なので優先順位を考えて絞り込むことをお勧めしたいと思います。まず3人だけ決めてみる。1番温度が下がっていそうな方でもいいですし、次のリーダーになりそうな方でもいい。その3人の人と指示というのを1つもしない1to1をやる。
大竹: 全員を1度にと思うと結局誰ともできないんですよね。
安: これ逆のことも伺いたいんですがまず聞くを突き詰めていくと今度は言うべきことを言えない言わないプレジデントになってしまわないでしょうか。
大竹: それがもう1つの落とし穴だと思います。関係を壊したくないから耳の痛いことを言わない。これは優しさに見えますけれども、実際は自分が嫌われたくないだけということが少なくないんです。相手を成長できる人だと信じていない、相手の可能性を信じていないということでもあります。
安: では聞くというのは?
大竹: 言わないということではないんです。順番の話だと思います。先に聞いて後で言う。中身は変えなくていいんです。
大野: それと伝えるときも中身にも1つ大事なことがあると思っていて、自分の目標っていうのではなくて私たちの目標にするっていうことなんですよね。
安: と言うと?
大野: プレジデントになるとつい今期は50名にしたいとか、更新率をこれだけ上げたいという風に考えます。目標を持つということはそれ自体はすごく大切なんですけども、ただそれがプレジデントの目標のままだとメンバーはなかなか動いてくれない。先ほどなぜビジターを招待するのかという話をしましたけど、あれをメンバーと共有できていればこれ私たちの目標になりますし、共有しないまま数字だけ伝えればこれはプレジデントの目標のままなのかと思うんです。
大竹: 数字をやらなければならないことから自分たちのビジネスを成長させるための共通の目標に変えていくということですよね。まさに先ほどのヤギに草を見せるということとも通じるものがありますね。「行きなさい」ではなくて「あっちにこんな草があるようですよ」と。
安: なるほど。もう1つ責任感の強いプレジデントほど陥りやすいことがあると伺ったんですが。
大野: これは本当に多いんです。例えばメンバーが動かなければ自分が動く、ビジターが少なければ自分が動く、問題が起きれば自分が解決する。すごい立派なんですけどもそれをずっと続けているとプレジデントだけが頑張るチャプターになってしまう。
大竹: しかも短期的にはうまくいくのが厄介なところで数字は上がるんですよね、短期的に。そして自分でやった方が早いですし、任せると遅いし、思った通りにはならない。だから任せない理由は毎回ちゃんとあるわけです。
安: 確かに。
大竹: でもプレジデントの任期は永遠ではないですよね。
大野: ここが今日1番お伝えしたいところかもしれないんですけど。目指したいのは自分がいなければ動かないチャプターということではなくて、自分がいなくても動くチャプターなのではないでしょうか。そのためにはメンバーを動かすというのではなくメンバーが自ら動きたくなる状態を作る。問いかける、話を聞く、目的を共有する、それから役割を任せる、そしてできたところを承認する、そしてまた任せる。
大竹: 私冒頭に稲刈りの話をしましたけれども、田んぼって刈って終わりじゃないんです。刈った後に藁をすき込んだり土を起こしたりする。それは今年のためではなくて来年のための作業なんです。しかもやったかどうかというのはその年の収穫量には出ない。その次の年に結果が出るんです。
安: つまり次の人のための仕事ということですね。
大竹: プレジデントの半年も全く同じだという風に思っていて、任期の最後に問われるのは任期中の数字だけではないと思うんです。次のプレジデントにどんなチャプターを渡せたか。
大野: メンバーが自分たちで考えるチャプター。誰かが困っていたら自然に誰かが声をかけるチャプター。そして新しいリーダーが次々に生まれていくチャプター。そこまで作れたら残したものは任期中の数字というものよりもずっと大きいと思うんです。
安: では今週1つだけやるとしたら何から始めればいいでしょうか。
大野: 先ほどの3人です。今週の定例会が終わったらぜひ3人だけでいいので名前を決めてください。そしてその方たちとの1to1を通じて最初は指示というものを1つもしないと決める。「最近BNIどうですか?」から始めていただいて、その代わりその方が困っていることをその方が使った言葉のまま自分の口で言い直す。それができるかどうかというのを確認していただきたいと思います。
安: あえて相手の言葉のままということですね。
大野: はい、そうですね。自分の言葉に置き換えたくなっちゃうんですけれども、それが返せないうちはまだ聞けていないということなんです。
大竹: 私からは1つ数字を伝えるときは必ず「なぜ?」とセットにすること。ビジターを3名ご招待お願いします、その前に招待してくださった方があなたのビジネスにとってどういう意味を持つのかそれを先に話す。順番をひっくり返すということです。
安: 先に「なぜ?」ということで後から数字ということですね。それではそろそろ終わりの時間が近づいてまいりましたが、大野さんや大竹さんからメンバーの皆さんへメッセージはありますか?
大野: はい。BNIには仕組みがあって、規則とかポリシーというのがあったり、成功するための方法というのがあるわけです。それを正しく運営することというのはもちろん大切なんです。ただそれは前提であってゴールそのものではないんです。プレジデントの仕事というのは、正しいBNIをメンバーにやらせることというのではなくて、メンバー1人1人がこのチャプターで成功したいと思える状態を作るということ。そこまでがリーダーの仕事だと思います。
大竹: 私はプレジデントが後の人に送れるものは2つあるという風に思います。聞く時間と任せる勇気です。これはどちらも目に見えませんしその期の数字にはあまり出ません。出るのはその次、将来、未来です。ギバーズゲイン、与えるものは与えられると私たちは言いますけれども、与えるものというのは紹介とか情報だけではないと思うんです。相手の話を最後まで聞く時間も、自分の手柄になりそうな役割を誰かに渡すことも、これは全てギブだという風に思います。そしてそれを受け取ったメンバーがまた誰かに同じことをする。そうやって次のプレジデントが生まれてくるんだという風に思います。ヤギのリードは引かなくてもいい。どっちにおいしい草があるかを一緒に見に行けばいいということです。
安: はい。大野さん、大竹さんありがとうございます。今日のお話をまとめますと、まずプレジデントは上司ではないということ。メンバーは全員が社長であり経営者ですから、正論を強くぶつけるほどかえって反発が生まれる。先ほど大竹さんもおっしゃっていたヤギの綱、リードを引けば引くほど踏ん張るというお話が忘れられないですね。ビジターを招待するという理由も改めて整理していただきました。人数が増えると繋がりの数は掛け算で増える。業種の空きが生まればリファーラルが外に流れない。そして招待そのものが相手へのギブで、勧誘ではなく紹介なんだということです。ただその理由が分かっていても動けない方はいると。「ビジターを何名呼んでね」とか、そういう同じ言葉が呼びたい人が浮かばない方、誘い方が分からない、あと断られた記憶がある方この3人に全く違う届き方をしてしまうということ。正しいことを伝えることと人が動くことは別ということでした。だから「やってください」の前に「どうですか?」と聞くという話が大野さんからありました。ただし6ヶ月しかないので全員は難しい。まず3人に絞ろうということでした。そして聞くというのは言わないことではなくてあくまで順番の話、先に聞いた上で後で伝えるということですね。最後にプレジデントの仕事、役割は全部自分がやることではない。刈った後の田んぼを来年のために残しておく。その成果はその年ではなく次の年に出る。任期の最後に問われるのは次のプレジデントにどんなチャプターを渡せたかということでした。正しさは前提に過ぎません。メンバーとともに動くチャプターを作ること。それがプレジデントの役割なんだと思います。ということで改めて大野さん、大竹さん本日もありがとうございました。
大野: ありがとうございました。
大竹: ありがとうございました。
安: 最後までお聞きいただきありがとうございます。今回のお話はいかがでしたでしょうか。皆さんからのご意見やコメント本当に励みになります。よろしければInstagramやYouTubeで発信しておりますのので、公式サイトと合わせてぜひコメントを残していただけると嬉しいです。皆さんの声が次回のトピックや内容をより良くしていくための大切なヒントになるかもしれません。一緒にこのポッドキャストを成長させていければと思っています。それでは次回もオフィシャルBNIポッドキャストでお会いしましょう。See you next week !
