第72回 特化してなんぼ

安:第72回は、「特化してなんぼ」と題してお送りいたします。
大野さん、特化してというお話なんですが、何の特化なんでしょうか?
大野:チャプターでは、各専門分野から1名のみがメンバーとして登録できると言うルールがありますよね。カテゴリーの細分化や、すみ分けという言葉をよく聞くようになったと思いませんか。
安:いや〜、本当に多いですね。今。
大野:私が思うに、本来細分化やすみ分けと言う言葉は、あまり適切な表現ではないように思います。むしろ言うのであれば、特化と言う表現のほうが適切に感じます。では、特化とはどういった意味なのでしょう?
安:特化とは・・・?

A magnifying glass hovering over several instances of the word niche, symbolizing targeted marketing of small demographic groups


大野:私たち中小企業にとっては、命運を分けるとても大切なコンセプトだと思うんですね。前提として統計をご紹介したいんですけれども、平成26年の経済センサスによると、日本の中小企業はおよそ380万社あるんですね。
安:はい。
大野:これは全体の企業数の99.7%を占めています。
安:あ〜なるほど。
大野:ほとんどが中小企業。わずか0.3%が大企業ということになるんでしょうけども。さらにはそのうちの小規模事業者というのが、全体の85.1%ということなんですね。いずれにしても、中小企業の数というのはとても多いと。380万社中小企業が存在しているので、とても競争が激しい中で私たちはビジネスをやっていると、いうことは前提としてあるわけですね。こうした競争が激しい環境の中で、勝ち残ってビジネスを拡大していくためには、まずはニッチ戦略と言うのが考え方として大切になってくると思うんですね。
安:はい。
大野:他の会社と同じことをしていたら、勝てる可能性というのは著しく低下してしまうという考え方。小規模事業者というのは、何でもやってすべての強豪と戦うなんことはできないわけですよね。
安:そうですね。
大野:だからこそ自分の会社のニッチと言うのを見出して、その分野でのナンバーワン。そしてオンリーワンになると言うことが大切なわけですよね。そうすると例えば、ビジビリティが高まりますよね。
安:そうですね~。
大野:その道でナンバーワン。オンリーワンというわけですから、自ずと目立ちますし、ビジビリティが高まる。多くのたくさんの会社の中で普通だと自ずと埋もれてしまう。さっき言った、日本国内の中小企業380万社の中に埋もれてしまうことを避けられるわけですよね。
安:はい。
大野:ニッチ戦略を考えるときに、今回は2つ考え方を分けてみました。
安:はい。
大野:1つは得意分野に絞る。弁護士を例にあげてみましょうか。
安:はい。
大野:例えば、英文の契約書をできる先生というのは、やっぱり限られてきますよね。
安:そうですね。
大野:はい。フランチャイズに詳しい先生も限られてきますよね。
安:そうですね。

大野:交通事故・離婚問題、この辺はよく聞きますけれども、プレゼンの中では。でも、本当にその交通事故を専門に扱っている先生とか、離婚問題ばかり扱っている先生とか、いう人がいればいざと言うときに心強いですよね。
安:そうですね。
大野:あと、そうですね。医療訴訟とか専門なんていう先生もいらっしゃるかもしれません。
安:はい。
大野:そういった専門分野を、あるいは得意分野を持った弁護士に対して、「何でもやってますよ~!」と言う弁護士と比べたらどちらが紹介しやすいかっていう話ですよね。
安:はい。
大野:集客と言う意味でもそうなんですけども、マーケティングですよね。いわゆる私たちがやっているリファーラルマーケティングにおいても、やはり得意分野を持っているということがやはり大切なことなんですよね。
安:そうですね。
大野:安さんと同じ社労士の方でも、先日私BNIのメンバーさんで1to1させていただいたんですけれども。障害年金に特化されているという方がいらっしゃいました。社労士としてはお若いんですけれとも、各方面からですね、講師として引く手数多という風に伺っています。
安:はい。
大野:あともう1つの方法としては、その顧客のターゲットを絞るとい
う方法ですね。ターゲットを絞るっていうことで言えば、そういえば安さんも社労士でコンビニオーナーに特化してますよね。
安:そうなんです!毎週プレゼンでどこそこチェーンのオーナーさんを紹介してくださいという話をしていますね。
大野:そうですよね。どうして安さんはコンビニオーナーに特化することにしたんですか?
安:はい。コンビニ業界にいたからというのがまず1番の理由なんですけれど、その仕事をしている中で、コンビニオーナーってすごく思いをしっかり持って経営をされている方が多いんですよ。で、そういう方が全国に5万5千店やっぱりあるので、そういう方に対しての支援をしていくことによって、私も自分の得意なところを生かせるかなと思って。それで、今ターゲッティングを絞っています。
大野:なるほどね~。あと、私が聞いたことがある例で言いますと、不動産売買の仲介をされているメンバーの方が、もともとターゲットをですね、医療関係者に絞ってたんですね。
安:それでも結構絞れているような気がするんですけど。はい。
大野:でも、結構たくさんいらっしゃいますよね。
安:確かに。
大野:で、彼女はですね、医療関係者というターゲットをさらに絞り込んで。
安:はい。
大野:外科医にしたんですよ。
安:おー!
大野:外科医にターゲットを絞り込むことで、とても成功したんですね。なぜ外科医だかわかりますか?
安:なんででしょう?お金を持っているからとか・・・?
大野:まぁ、そこもあるかもしれませんよね。腕のいい外科の先生は、お金もたくさん持っているかもしれません。でも、実はそれだけじゃなくてですね。それも関係するんですけれども、普通の人と比べて不動産を売買する頻度がですね、人生の中において多いんだそうです。
安:あ〜。なるほど~。
大野:自分の家はもちろんなんですけれども、自宅ではないんだけれども、その勤め先の病院だとかいうところから近くに自分の小さい家を持っているとか、部屋を持っているとか。
安:はい。
大野:ね、離婚すると家売ったりしなくちゃいけないですし、また結婚すれば家を買わないといけないし、みたいな。まぁ、その離婚の頻度も高いんだそうです。
安:なるほど~。
大野:外科医の先生、聞いていらっしゃったら、ごめんなさい。
安:そういう統計結果があるという。
大野:はい。毎週末ですね、彼女は、外科医のお医者さんたちとゴルフに行くんだそうですね。そうするとなぜか、外科医の先生が弁護士の先生を連れてくることが多いらしくてですね、その弁護士の先生が不動産を探しているからとか。今売らなくちゃいけないからということで、紹介をしてくれるそうなんですね。
安:はい。
大野:でも、彼女はもう外科医の先生だけでも、てんてこまいになるぐらい忙しいので、私はもう外科医の専門なのでと勘弁してくださいみたいな話をされるんだそうですけれども。
安:あ〜。
大野:でも、やることは同じじゃないかってね。で、仕方なく引き受けるっていう話をされていましたね。
安:なるほど~。
大野:なので外科医の先生が当然、他の外科医の先生を紹介してくれて、それがひっきりなしで。それこそ不動産の物件もですね、割と同じその外科医の先生の中で人気のある物件だったりとか、そのある外科医の先生が売った物件が他の先生のお気に入りになったり。
安:お〜。
大野:ということが起こりやすいんだそうです。
安:なるほど~!
大野:なるほどですよね。
安:面白いですね〜。
大野:あともう1つですね、カテゴリーに関して面白い、これは日本のどこのチャプターだかちょっと忘れてしまったんですけれども。あるメンバーの方ですね、車のディーラーの営業をされている方だったと思うんですけれども。
安:はい。
大野:確かTOYOTAだったかな?間違ってたらごめんなさい。その営業の方なんですけれども。NISSANの営業の方を入れてほしいと。
安:へー!
大野:ね、ライバル会社ですから、なぜそんなことをするのかな思うんですけれでも。
安:気になりますね。
大野:車の好きな人は、どのメーカーの車がいいって、だいたいほぼ決まっている人が少なくないんだそうです。
安:はい。
大野:そうすると、彼はTOYOTAなんですけれども、NISSANが買いたいと思っている人がいたら、自分は役に立てないので、お断りをするのが普通なんですけれども。
安:はい。
大野:でも、知らない人にそのお客さんを取られてしまうよりは、信頼できる毎週顔を合わせている、そのNISSANなどのライバル会社の営業マンがいたら、その人に紹介したいと。これなんか、納得できません?
安:わかりやすいですね。
大野:そうですよね。いわばライバルとの、共存・共栄と言ったケースですよね。ということで、特化なんですけれども。はたから見ると競合関係にあるんですけれども、本人同士はですね、信頼関係ができている限りにおいては、お互い大切な人を紹介しあえる関係と、いうことが言えるんだそうです。
安:なるほど〜。
大野:目から鱗だと思いませんか?
安:いや〜本当に、面白いなと思います。その視点が。
大野:そうですよね。私が最初に聞いたとき、「TOYOTAとNISSANってあり得ないでしょ」と思ったんですけれども。お話を伺って、「なるほど」と。
安:ん〜。
大野:そこに信頼関係があれば、当然大切な人は紹介できるようになると。
安:そうですね。また紹介を経て、その人もイメージですとかビジビリティも上がるという効果がありそうですよね。
大野:そうですね!
安:はい。それではそろそろ終わりに近づいてまいりましたが、大野さんからメンバーの皆さんへメッセージはありますか?
大野:はい。このPodcastを聞いてくださっている皆さんの中にもですね、おそらく、自分のニッチとかですね、得意分野というのもがまだ明確になっていない方もいらっしゃるかもしれないと思うんですね。ぜひ、その自分の得意分野が何なのかとか、あるいはどういう顧客にターゲットを絞るとどんなメリットがありそうかというのをですね、日々考える癖をつけていただくといいんじゃないかなと思います。先ほどの事例でもご紹介しました通り、信頼できて、大切な人を安心して紹介できるライバルという人が、もしかしたらいるかもしれないという視点も新鮮だと思うので、ぜひ考えてみていただければと思います。
安:はい、ありがとうございました。
大野:ありがとうございました。

参考:
https://woocommerce.com/2016/05/niche-business-success/

https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11902.html

 

第72回 特化してなんぼ” への8件のフィードバック

  1. ニッチな仕事をより強化することで、オンリーワンになるという事。
    信頼できるメンバーであれば、細分化して其々の分野で確実な仕事をやれるということがとても良いと思いました。

  2. 競合同氏が信頼関係をもってお互いに紹介しあえるという事はとても理想的なことだと思います。後、自分も何に特化していて、どの顧客をターゲットにしているのか、もう少し明白にしようと思います。

  3. 中小だからこそ自分の会社のニッチと言うのを見出して、その分野でのナンバーワン。そしてオンリーワンになると言うことが大切

    とても勉強になりました。
    ありがとうございます。

  4. 特化に関してもそうですが、TOYOTAとNISSANの話はなるほどと思いました。自分の属する会社だけではなく、業界全体の盛り上がりや上昇を考えると、ライバルと手を組むことは大いにありだと思います。それにより、自分自身もよい結果が得られると思います。サラリーマン生活34年になりますが、このような経験は何度かありました。今回の「特化してなんぼ」は特化することの大切さに加えて、かつての経験を思い出させてくれたと思います。

  5. 中小・零細だからこそ、自社のニッチな業界。得意分野に絞り込むことが必要だと改めて必要だと痛感した。
    そして、その分野でのナンバーワン。そしてオンリーワンになると言うことが大事になってくる 1to1やWPもその辺りに焦点を絞ることを意識していこう

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