第182回 現状維持は後退の始まり

このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社の提供でお送りいたします。

第182回は「現状維持は後退の始まり」と題してお送りします。

安:さて、大野さん。今回のトピックスですが、「現状維持は後退の始まり」というタイトルですね。これについて、ぜひお話をいただきたいと思います。

大野:そうですね。これは何人かの著名な方の格言としてよく知られているものでもあるらしいんですけども。
 お一人は松下幸之助さんですね。彼が、「現状維持は後退の始まり」というお話をされていたそうなんですけれども、当時、松下幸之助さんがご活躍の時代も、彼が言うには「人間は変わることに恐れを持ち、変えることに不安を持つ」と。
 だけれども、全てのものが刻々と動いていて、一瞬一瞬にその姿を変えつつあるこの世の中、うまくいっているから十分だというふうに考えて、現状に案ずるということは、即後退につながるというふうにおっしゃっていたそうなんですね。

安:はい。

大野:今日よりも明日、明日より明後日と。日に新たな改善を、つまり毎日毎日に新たな改善を心掛けたいというふうにおっしゃっています。
 もう一人、同じようなことをおっしゃっている方がいて、それはウォルト・ディズニーさんですよね。彼も、現状維持では後退するばかりであると。ディズニーランドはいつまでも未完成であると。現状維持では後退するばかりであるというふうにおっしゃっていたんだそうです。

安:はい。

大野:安さんは、某Dランドでお仕事をされていたことがあると記憶していますけれども。

安:はい、ありがとうございます。まさにそのとおりでございます。
 この話はよく聞きました。働いている時に、ディズニーランドは未完成だということは何回も聞きましたね。

大野:ああ、そうですか。
 今回このお話は、ビジネスにおいては大切な考え方というか、概念だと思うんですよ。なので、その辺を一緒に考えていきたいと思っています。
 BNIにおけるチャプターも、現状維持というのは起こりやすい現象だとは思うんですね。現状に満足してしまうということは、普通の会社でもあることだし、チャプターにおいてもそれは起こりがちだということなんですよね。

安:はい。

大野:例えば現状維持というと、どんなことが考えられますかね。

安:一番よく出てくる話は、チャプターのメンバー数の話なんですけど。今の人数ぐらいがちょうどいいんじゃないかということを話すメンバーがいることがありますね。これも現状維持の一つかなと思いますけど、いかがでしょうか。

大野:そうですね。心地良くなるというのはあるんでしょうね。

安:そうですね。

大野:やっぱり人数が少ないほうが、何というか、お付き合いは楽というのは当然あるんですけど。そこは成長ということを前提に考えると、メンバー数も少しずつでも成長していくということが大切なんですけれども、やっぱりお付き合いのしやすい人数みたいなことをどうしても考えてしまいがちだと思うんですよね。

安:そうなんですよね。

大野:ところが、メンバー数として現状維持ということになると、やっぱりそこから生み出されるビジネスのボリュームも滞ってしまいがちだし、現状維持はできるかもしれないけども、結局それは後退を意味するよということになってしまいがちですよね。

安:そうなんです。

大野:もう一つ考えなくちゃいけないのは、例えば定着率とか、メンバーの皆さんの、皆さん必ず100%更新するというのはなかなか現実的ではないので、いろんな事情で更新ができないで、更新を諦めてやめていかれる方は、これは自然とあるはずなんですけれども。
 定着率を上げていく、更新率を上げていくということはやっぱりチャプターの中でも意識していかなくてはいけないし、これが現状維持ということではなくて、現状維持が例えば定着率が今、仮に6割ぐらい、あるいは7割ぐらいだとすると、そこをやっぱり改善していくべきなんだけども、「そんなもんじゃない?」と考えてしまう考え方もあるということは、現状維持にはまりやすい一つの要因になっているのかなとは思いますよね。
 今いろんな数字の話をしてきていますけど、いわゆるKPIというものは、それぞれの企業にもいろいろありますけど、チャプターにも他にもKPIはあると思うんですよね。例えば、ビジターの数に対して申込書が出る。いわゆるコンバージョン率ですよね。これもやっぱり、じゃあ今コンバージョン率はうちのチャプターどれぐらいなんだっけという確認をしたときに、例えば1割だとしますよね、10%。

安:はい。

大野:それは、やはり改善していくべき一つのKPIであるはずなので、じゃあ今年はそれを15%にすることを目標にしようとか、20%にすることを目標にしようとか。やっぱり少しずつ改善していく、よくビジネスではPDCAを回すんだという話がありますけど。
 それぞれのKPIをどの程度改善していくのかというのは、目標設定して、進捗を確認して振り返って次の目標にという、そういった繰り返しをしていくことで成長していくということだと思うので、コンバージョン率も当然大切だし、元のビジターの数というのも、当然数字としては大切なKPIになるわけですので。
 今ご紹介していた幾つかのKPIに限らず、会社の経営と同じようにチャプターの運営というものもやっぱり大切な仕様であるKPIを、常にモニタリングして、現状維持にならないように前進していく。現状維持というのは後退だとすれば、前進、成長するためのKPIの使い方というか、そこはやっぱり意識していかないといけないですよね。

安:そうですね。

大野:じゃあ前進するためには、あと何が必要かと考えると、今、特によくVUCAの時代と言われるじゃないですか。

安:はい。VUCA。

大野:VUCAというのは頭文字を取っているんですけれども、V、U、C、A。
 VはVolatilityのVですよね。変動性と訳せるかもしれません。要するに、世の中でいろいろなことが変動しているので、例えば気候の変動とかもありますよね。

安:そうですね。

大野:あとは、世界情勢の変動とかもありますよね。あと技術革新なんかも、それは変動をもたらす一つの要因になっているということを考えると、常に何か変わっているという状況。
 もう一つの、UというのはUncertaintyということなので、不確実性ということですけれども。どういうふうに変わるかが分からないということですよね。例えば最近の例で言うと、コロナがまん延して、このパンデミックによって、始まった当初はどうなるか分からないという状況でしたよね。今、2年たってこんな状況になりましたって、分かっているからいいんですけれども、やっぱり当初は、どうなるか分からないという、その不確実性というのが、まさに直面していたテーマということなので、このUncertaintyというのも一つ大事な、今の状況を示す言葉だと思うんですよね。
 3つ目のCは、Complexity。複雑性ですよね。やはりいろんな要素が絡んできて、先ほど言ったような自然災害だけではないし、国際情勢。戦争とか、国際情勢が不安定だし、いろんなその技術の革新とかもあって、いろんな要素がかみ合わさって複雑な様相を呈しているというのがこのComplexityを示していることですね。
 最後のAはAmbiguityのAですけれども、曖昧さを表現しています。例えば今、先に出てきたVとUとCというものは、まさにCのComplexityに言うように複雑に組み合わさるということで、何がどういう結果をもたらしているかというのが分かりにくい状況になっているわけですよね。
 なので、これまでに歴史上経験したことがない、そういったことがたくさん起こっているような状態。あるいは起こり得るような状態になっているわけですよね。なので、これまでの常識がもう通用しないということなんですよね。なので、曖昧性が高い、そういった世の中になっているということを言っているんだと思います。

安:はい。

大野:ということは、やはり先行きがもう本当に、見通しを立てにくい。そんな世界で僕らは仕事、ビジネスをしているわけなので、そこをどう生き抜いていくかももちろんなんですけど、そこで成長していかなくちゃいけないということを、その術をやっぱり考えていかなくちゃいけないということだと思うんですよね。
 そのために間違いなく言えることは、変革というか、世の中が目まぐるしく変わっていく中で、あわせて、あるいはそれに先んじるような形で、会社だとかその事業体というのは進化していかなくちゃいけないということだと思うんですよ。
 最近のコロナの例で言えば、オンラインというものが、例えばBNIだったら使わざるを得ない状況になりましたよね。みんな多くの人は、慣れている人はいいんだけれども、慣れていない人もたくさんいる中で、いろんな人たちがもっと協力し合って、オンラインの環境に慣れて、それがだんだん便利になってパワフルなツールとして今は使えるようになっているわけですけど。
 それと同じように、今までと同じようなやり方だったら駄目だということで、多くの経営者の人たちは、革新を起こして、新しい形でビジネスを継続して成長させたという方もたくさんいらっしゃったわけですよね。

安:はい。

大野:そういった変革力というか、革新を起こす力というものを、やっぱり企業というのは兼ね備えておかないといけないということだと思いますね。
 革新といえば、BNIのコアバリューの中にも7つありますけども、伝統と革新とありますよね。

安:はい。

大野:トラディション&イノベーションということで、大切にしている一つが、伝統を重んじるということはもちろん大切なんですけれども、常にやっぱりイノベーションを起こしていくという部分も忘れてはいけないということだと言っています。

安:それでは、そろそろ終わりの時間に近づいてまいりましたが、大野さんからメンバーの皆さんへメッセージはありますか。

大野:はい、ありがとうございます。今回のテーマは非常に大切だと思うので、現状維持になっていないかどうか、自分たちのチャプターが現状維持になってないかをいま一度振り返ってみて、もしそういった兆候があるのであれば、皆さん一緒に取り組んでいただいて。じゃあ、現状維持じゃなくて進化していく、前に進んでいくためにはどうしたらいいかというところでいろいろと意見を交わすというのはいいんじゃないかなと思います。
 そんな中で、やはり大事なチャプターのKPIというのを確認した上で、じゃあそれをどのようにして変えていくのか、どんな目標を設定してどのように達成していくのかというのは、リーダーシップチームばかりに任せておくのではなくて、皆さんでそういった意見を交わす場というのも設けられたらどうかなというふうに思います。
 そして、BNIのコアバリューもいま一度皆さんで確認していただいて、大切にすべき伝統と、どうやって革新を起こしていくべきかというところは常に忘れずに取り組んでいただければいいんじゃないかなと思います。

安:はい、ありがとうございました。

大野:ありがとうございました。

安:今回もBNIジャパンナショナルディレクターの大野代表と、私BNIメンバーの安紗弥香でお送りいたしました。このポッドキャストは、コンビニの人材育成を支援するこんくり株式会社の提供でお送りいたしました。それでは次回もオフィシャルBNIポッドキャストでお会いしましょう。See you next week.

第182回 現状維持は後退の始まり” への2件のフィードバック

  1. 人気ラーメン屋の店主が同じことを言ってました。
    さすが、人気店です。

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